タイ ソーダ
原名:Thai Soda
種類:オード・パルファム
ブランド:ONE DAY(ワンデイ)
調香師:マイケル・ワン
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:60ml/24,200円
販売総代理店ホームページ:KAGUSHI

タイのあらゆる都市で感じる〝解放感〟をつめ込んだソーダの香り

©ONE DAY

マイケル・ワン氏 ©ONE DAY
緑や赤、ネオンやスパイスなど、色鮮やかなタイはいつも常夏
埠頭の川辺のナイトマーケットで売られている安い軽食や温かいスープ
そこに切ったばかりの新鮮なハーブとスパイスが加えられてゆく
カメラを首にぶら下げた観光客で賑わう広い歩道、家族と休暇を楽しむ十代の若者たち
夏の暑さのヒリヒリ感は、舌の上でとろけるライムソーダの味
それは束の間の夏のアバンチュールと恋、エキゾチックなプリントのパンツ
東洋の夢を求めてさまよい歩きながら、疲れた魂は安らぎを得る
タイのスパイスとソーダの爽やかな痛みが、永遠の夏の味として心に刻まれる
小さなライムを切って、ピリリと刺激を感じよう。香りを嗅ぎ、涼しさを感じよう
永遠の夏の中で、若さと冒険心が蘇る。10代の頃の気分をもう一度味わおう公式サイトより
ONE DAY(ワンデイ)は、2017年に、当時30歳であったマイケル・ワン氏により立ち上げられた香港生まれのフレグランス・ブランドです。
2021年に、5年の試作の時を経て、ティー・コレクションを発表した時、エートス・オブ・シティーズ・コレクション(都市の精神、気風)というコレクションも同時に発表されました。そのうちの一つとして発売されたのが「タイ ソーダ」でした。
この香りが、2024年にコレクションがリニューアルされ七作品のうちのひとつとして発表されました。香水名の下に書かれている「1728KM」の意味は、香港からタイ・バンコクへの距離を示しています。
この香りの公式イメージの写真は、パタヤの夜の歓楽街のネオンサインです。それはパタヤのウォーキングストリートにあるキングシーフードという屋上からの景色が魅力的なコスパの良いレストランのものです。
しかし「タイ ソーダ」は、タイのパタヤのナイトライフだけをテーマにした香りではありません。マイケル氏がおよそ二週間、タイのチェンマイ、パタヤ、バンコクなど各都市を旅行した際、毎日が真夏のタイの暑さの中、どこでも同じソーダが手放せなかったことから、タイ=ソーダのイメージでこの香りを作り上げました。
「タイ ソーダ」が都市の名前ではないのは、元々「タイ」と合わせてひとつの香水で考えられていたのですが、タイのフードと飲み物をひとつのボトルで表現するのが難しいため、二つの香りに分けたためでした。
さらに他のエートス・オブ・シティーズの香りのようにひとつの都市に絞ることが出来ず、国名をつけることになりました。
タイの〝微笑むソーダ〟の香り


ウェルカム・トゥ・タイランドの香りは、毎日が常夏のタイにおいて相棒とも言える、明るく爽快に弾けるライムを中心としたレモン、ベルガモット、オレンジのシトラスカクテルソーダからはじまります。
泡立つソーダの中に、すぐに氷のようにひんやりと爽やかなネロリと、清涼感溢れるラベンダー、さらにピリリと苦いプチグレンが溶け込んでゆきます。シュワシュワっという音が素肌の上から聞こえてきそうです。
ソーダのようでありながら、キャンディのように子供っぽくなく、透き通るような解放感があるのは、ベースノートのパチョリとムスクが、キレのある辛みと温かい甘みのコントラストを余韻として残してくれているからなのでしょう。
細かいことにクヨクヨせず、カラッとした、女性も男性もレディボーイも逞しく生きる〝微笑みの国タイ〟の精神=元気の源のような香り、それは『毎日が冒険』のパワーをくれる香りです。
サムイ島のラグジュアリー・リゾートのような香り

©Banyan Tree Samui

©Banyan Tree Samui
どこか、マイケル氏が、人生で一番最初に購入したダビドフの「クールウォーター」も連想させる香りです。しかしこの香りのプロファイルは、海に飛び込む筋骨隆々の男性ではなく、シャワーを浴びたばかりのボディメイクに余念のない女性と男性という、とてもシックでスタイリッシュな空気がします。
それはまるで贅沢に盛り付けられたフレッシュなサラダを、フレッシュなうちにいただくように、シュワシュワと新鮮なソーダの喉ごしを素肌で味わっていくようです。
私の個人的な感想になりますが、「タイ ソーダ」を身に纏った瞬間、サムイ島にあるバイヤンツリーに滞在した優雅なひと時が蘇ってきました。
大人のタイリゾートのとびきり贅沢な余暇の香り。美しい海が見えるプライベートプール付きコテージ。パジャマはシルクで、絶品のタイ料理が満喫できるレストランへも、シュノーケリングに最適なプライベートビーチへも、気楽にカートで移動できるという、まさにボトルの中の天国のようなひと時を与えてくれる香り。
バイヤンツリーにチェックインした後、頂いた、上質なスパークリングウォーターのような、一瞬で旅の疲れを忘れさせる解放感で満たしてくれる〝魔法の水〟のようでもあります。
調香師マイケル・ワンさんへのご質問

マイケル・ワン ©ONE DAY
最後に、KAGUSHIさんのご厚意により、マイケル・ワンさんへ「タイソーダ」についてご質問させて頂きました。
Q.ソーダの香りはなかなか市場にはないと思いますが、ソーダの香りをフレグランスで表現する際、何か特に困難な点はありましたか?
A.ソーダの「スパークリング」や「泡立つ」ような清涼感を表現するには、アルデハイドが最も有効かつ重要な成分だと考えました。特定の柑橘系のエッセンシャルオイルやアロマケミカルと組み合わせることによって、さわやかなライムソーダ特有の質感を再現することができました。
Q. これはあくまで私の個人的な感想ですが、タイソーダには素晴らしい矛盾美があります。タイの路上で売られているソーダの気取らない、親しみやすい安らぎと、タイの高級リゾートスパで提供される、洗練された清涼感あふれるミネラルウォーターの爽やかさを、同時に感じさせるのです。ソーダの香りを開発する際、安っぽく見えたり、洗練されていない印象を与えかねない要素を避けるよう意識されましたか?
A.意識的に避けようとしたわけではありませんが、本場のタイソーダと文化全体との間の共感覚的なつながりに焦点を当てていました。例えば、テーマに不可欠だと感じたため、特定のハーブの香りを取り入れました。おそらく、こうしたハーブのニュアンスが、着用者にタイの高級リゾートやスパの雰囲気を呼び起こしているのでしょう。
Q. これはおそらく、私が最も聞きたかった質問ですが、マイケルさんが最初に購入された香水であるダビドフの「クールウォーター」への愛も感じたのですが、創作するにあたり意識された部分はありましたか?
A.それは非常に鋭い質問ですね。実は、無意識のうちに影響を受けていたかどうか、少し考えてみました。「タイソーダ」が必ずしも「クールウォーター」の影を共有しているわけではありませんが、象徴的なシトラスとアロマティックな構造を持つ、典型的なアロマティック・フゼアとして、後者を高く評価しています。
「タイソーダ」はよりストレートで、シトラスが前面に出た香りです。しかし、技術的な共通点があります。両方の香りにはジヒドロミルセノールが使用されているのです。「タイソーダ」では、繊細で機能的な「清潔感」を与えるために、非常に厳密に調整した量で使用しました。
香水データ
香水名:タイソーダ
原名:Thai Soda
種類:オード・パルファム
ブランド:ONE DAY(ワンデイ)
調香師:マイケル・ワン
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:60ml/24,200円
販売総代理店ホームページ:KAGUSHI

トップノート:ライム、シトラス
ミドルノート:スパイシーハーブ、グリーンノート
ラストノート:ウッディノート、ムスク
