ロルフェリン(灰の乙女)
原名:L’orpheline
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2014年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/19,800円、100ml/30,140円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス
彼女はオトコだった。だから、とても美しいんだ。
2018年3月21日に「ブラック&ベージュ コレクション」が「コレクションノワール」に変更され、2014年に生み出された「ロルフェリン」も、このコレクションに組み込まれました。
「ロルフェリン」とは、フランス語で「孤児」を意味します。ちなみにこの香りには、「灰の乙女」という邦題がついています。
インセンスとアルデハイド&カシュメラン連合軍により包み込まれ、押し出されるように現れるラベンダーによりはじまるメタリックなこの香りは、すぐにやって来るパチョリによってひんやりとした静謐さ(もしくは厳かさ)で肌の中に浸透していきます。
ちなみにここでセルジュ・ルタンス自身のこの香りに対する説明について言及すると、どうやら自分の中に潜む女性と、それを求める心を投影した香りでもあるらしい。
ルタンス自身、70年代から80年代にかけて一世風靡したメイクアップアーティストでしたので、ドラァグクイーンの魅力を知り尽くしていたのでしょう。この香りの真の意味は、あまり声高に言及すべきではないのですが、子供を生めず、子孫を残すことの出来ない女=ドラァグクイーンもしくはトランスセクシャルの香りなのです。
突出して美しいが、ある肉体のパーツが、女性よりも大きく出来ており、それがコンプレックスでもあり、最大の魅力になるそんな〝選ばれし美の創造者〟たちのための挽歌=香りなのです。
真に優れしものは、香りに関しても、その緩急の使い分けが素晴らしいということの生きる証明が、まさに彼女達の存在なのです(ただし、ここには、セックスを売りにするトランスジェンダーは含まない)。
彼女達はどれほど美しく、女性のように見えようとも、絶えず灰色のヴェールを身に纏い生きているのだ!それがこの香りの魅力の全てです。だからこそ、クールな女性が身に纏うと、その瞬間だけ宝塚の男役のようなオーラ(ヴェール)に自分を包み込むことが出来る香りなのです。
この男性的な香料でのみ生み出された女性の香り(あえてユニセックスではなく女性の香りだと言及したい)は、クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。
香水データ
香水名:ロルフェリン(灰の乙女)
原名:L’orpheline
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2014年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/19,800円、100ml/30,140円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス
シングルノート:インセンス、ムスク、パチョリ