ラレンデディユ|超人的なアンバー、史上初めてのゴッド・フレグランス

セルジュ・ルタンス
©Serge Lutens
セルジュ・ルタンス
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ラレンデディユ

原名:L’Haleine des Dieux
種類:パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2015年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/55,000円

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史上初めてのゴッド・フレグランス

バラの花束に添えられることもある、あの小さな白い花はカスミソウと呼ばれます。イギリスでは〝Baby’s breath〟という名前でも知られています。その花が醸し出すふんわりとした雰囲気こそ、私が思い描いていたもの ――神々の霧のような息吹―― なのですが、実のところ、私こそが神であり、悪魔であり、そして女なのです!

セルジュ・ルタンス公式ホームページより

2014年10月1日にセルジュ・ルタンスが、50ml/600ドルする最高級コレクションを発表しました。その名も『セクションドール』です。フランス語で〝黄金比率〟を意味するこのコレクションから第一弾の香りとして発売されたのが「ランソンディエール」(放火魔)でした。

そして翌2015年に一挙5作品が発売されました。そのうちのひとつである「ラレンデディユ」の名前の意味はフランス語で「神々の吐息」です。〝神秘的で、エレガントなアンバー〟がテーマのクリーミーなカシュメランが主役のこの香りは、クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。

なんとセルジュ・ルタンスはシェルドレイクに恐ろしい指示を出しました。「歴史上初めてのゴッド・フレグランス調香してください」と。

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超人的なアンバーを浴びる、ツァラトゥストラの香り

〝神の香り〟それは、天上の神々から漂う匂いです。ただし中国やインド、日本の神々をイメージさせるインセンスではなく、ギリシア神話のオリュンポス十二神をイメージするアンバーなのです。

黄金のボトルから飛び出す液体は、まさに最初の瞬間から、ビックリするように幽玄で淡くまろやかなカシュメランからはじまります。サンダルウッドやガイアックウッド、シダーウッドを思わせるミルキーさが広がってゆきます。

すぐにパインバームとセージが、まるでオリュンポスの山の息吹のような、スパイシーな清涼感を注ぎ込んでゆきます。そして天上の輝きを思わせるアンバーとムスクのハーモニーが到来します。

温かい木と冷たいハーブの仲を取り持つように、あまりにも滑らかで伸びやかでしずやかに、すべてはひとまとめとなり、アンバーを素肌をうっとりするような手際で磨き上げるだけでなく、人としての本能をゆり動かしていく香りを心にまで届かせてくれます。

まるで香りにみちびかれるままに、失われていた何かが回復されていくような、気付くことのなかった心の中で枯れていた一本の木に水が与えられるような、とても不思議な荘厳さで満たされていくようです。

そして、最後に酔わせるようなレザーとバニラの香りがやって来るのです。もはや言葉の領域を超えた、オリュンポス十二神それぞれの繊細な息吹を、全身で受け止めていくような、唯一無二の感覚=超人になるような感覚で満たされるのです。

もしフリードリッヒ・ニーチェがこの香りの中に身を置いたらまず間違いなく「ツァラトゥストラの香りだ!」と熱狂することでしょう。

©Serge Lutens

2018年1月に発売されたガラス細工を施された本作と「ランソンディエール」。日本では僅か1本づつが150,000円(税抜)で販売されたのでした。

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香水データ

香水名:ラレンデディユ
原名:L’Haleine des Dieux
種類:パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2015年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/55,000円


シングルノート:アンバー、レザー、カスミソウ、パインバーム、ムスク、カシュメラン、セージ、バニラ