元祖キューティーハニー・ルック
ティファニー・ケース・ルック9 キューティーハニー・ルック
- 赤とパープルのバイカラートップス
まさにドンフェルドの真骨頂とも言うべきデザインです。のちにアメリカのTVシリーズ『ワンダーウーマン』のコスチューム・デザインを手がけることになるのですが、このティファニーの水着こそが、1973年の永井豪の「キューティーハニー」のコスチュームに多大なる影響を与えたのでした。
私が考える最高のボンドガールのひとり
ティファニー・ケース・ルック10 キモノガウン
- 光沢のあるペールピンクとイエローのキモノガウン
- 光沢のあるペールピンクのサンダル
ショーン・コネリーがボンド復帰を果たした1971年~72年においては、本作は話題作になり、世界的な大ヒットとなったのですが、時が経つにつれて、ボンドムービーの中でもワーストムービーと呼ばれるようになりました。そんな作品のボンドガールだからこそ、最も人々の印象に残らないボンドガールと呼ばれるようになってしまった不運の女優ジル・セント・ジョン。
しかし、このモンチッチのようなヘアスタイルの彼女を改めて見てみると、この女性の雰囲気は明らかに2020年代を迎えようとする私たちをひきつけてやまぬ新鮮な何かを持ち合わせているのです。どこかジュリー・アンドリュースの〝出来損ない感〟も漂わせているジル・セント・ジョン。その性格の良さとIQの高さと、育ちの良さゆえにハリウッドにしがみつかずに、20世紀のモテモテ男ロバート・ワグナーのハートをがっちり鷲掴みにし、幸せに年をとっているジル。
私は彼女を見ているとこう思わずにはいられないのです。〝ボンドガール史上もっともボンドガールらしくない人〟だと。それは恐らくボンドガールとは、性格の良さそうな女性が演じるべきではない役柄なのだからでしょう。そんな人の良さを漂わせている彼女の不思議な〝出来損ない感〟。それは、もしある女性が実生活で、その空気を漂わせていたならば、パーフェクトなモテ女っぷりを発揮する最強兵器となるのです。そうです、時代は、〝出来損ないオンナ〟を求めているのです。そんな2018年のバイブル・ウーマンこそがジル・セント・ジョンなのです。