ジャドール オー ルミエール
原名:J’adore Lumiere
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:50ml/14,520円、100ml/20,350円
公式ホームページ:ディオール
三代目ジャドール オード トワレ
ジャドール・オード・トワレには特別な何かがあります。人を惹きつけ、はじけるような何か。それは一気に溢れ出て、一瞬にして私たちを喜びで満たすのです。
フランソワ・ドゥマシー(ディオール公式ページより)
1999年にディオールが、アン・ゴットリーブの指揮の下、カリス・ベッカーにより生み出した「ジャドール」は、ノストラダムスの大予言を覆しました。それは恐怖の大王ではなく、世紀末の世に、愛を生む〝愛の女神の降臨〟として、ディオールの世紀末救世主伝説と呼ばれるほどのセンセーショナルなデビューを飾りました。
2002年に発売されたオード・トワレは、2011年にディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより再調香されました。さらに2016年4月29日に二度目の再調香が行われ、発売されたのが「ジャドール オー ルミエール」です。
2002年に初登場したオード・トワレでは、共通の香料であるオレンジ、レモン、ローズ、ネロリ、マグノリア、バニラの外に、プラム、ジャスミン、オーキッド、ヴァイオレット、スズランが処方されていました。その後、2011年にマイナーチェンジされた時には、ジャスミン、イランイラン、チューベローズが処方されていました。
実にややこしいのですが、今回の「オー ルミエール」は三代目オード・トワレであり、ディオールの店頭では、「ジャドール オード トワレ」と呼ばれています。
シャンパンにもっとも近いジャドール
誰もが認める絶世絶美たる女性は、40歳を迎え、かぎりなく艶やかにうつくしさを誇っております。そんな彼女の20代を香りで覗いてみようという試みが、「オー ルミエール=もっと光を!」のテーマです。別名〝ザ・ウェイ・オブ・ザ・絶対美女〟。
実はこの香りには、2017年からディオールが専属パートナーシップを締結することになる、パリの1000km南にある、南仏ヴァロリスのアンティーブ岬郊外の緑豊かな丘の中腹にある花農園「フローラポリス〝花の町〟」の、502本集まる木立(そのうちの300本は樹齢100年以上の木)から成るビターオレンジの木から収穫された花々が使用されています。
その日のうちに水蒸気蒸留法で抽出された、この信じられないほど新鮮なネロリ精油こそが、「オー ルミエール」の主役であり、「ジャドールEDP」の若返りの妙薬なのです。
太陽のように燦燦と輝くレモンとブラッド・オレンジのいかにもかいがいしくキリッとした香りからこの香りははじまります。ブラッド・オレンジ・エッセンスはフレッシュさの中にフルーティでジューシーな、サワーキャンディのようなデリシャスな感覚を広がらせてゆきます。
今では和服の似合う絶対美女が、かつてはキャンペーンモデルとして際どい水着を着てランウェイを歩いていたという、「一生懸命に煌めいていた」季節を知るように、喜びと哀しみの涙で彩られた美しい太陽のオレンジの光を浴びるのです。
すぐに、エレガントなダマスクローズとフレッシュグリーンなマグノリアが、クリーミーなフローラルブーケを注ぎ込んでゆきます。と同時に、太陽の光を浴びて、キラキラと輝くネロリが、すべての香りをひとまとめのシャンパンにして、素肌に振りかけ、生き生きと、もっともっと光り輝く香りで満たしてくれます。
あくまでも「ジャドールEDP」のようにホワイトフローラルが主役になるのではなく、(オレンジのような)ネロリと(レモンのような)マグノリアがシャンパンのようにシュワっとはじけることによって〝太陽の花と果実〟が主役になるこの香りに、添えられているバニラとサンダルウッドが〝まだ太陽に焼かれることを恐れない季節〟の日焼けした若き女性の肢体を思わせる温かくも溌剌とした余韻を残してくれます。
シャネルの「ガブリエル」の好敵手とも言えます。
香水データ
原名:J’adore Lumiere
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:50ml/14,520円、100ml/20,350円
公式ホームページ:ディオール
トップノート:ブラッド・オレンジ、レモン
ミドルノート:マグノリア、ダマスクローズ、プロヴァンス産ネロリ
ラストノート:バニラ、スリランカ産サンダルウッド