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エリザベス・テイラー11 『クレオパトラ』3(3ページ)

エリザベス・テイラー
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映画史上最大スケールのクレオパトラのローマ凱旋シーン

30機の飛行機をチャーターしてハリウッドから招いたプロのダンサーを動員しました。

セットで休憩するダンサーたち。

絶世の美女が集められたのですが、画面では分かりません。

それにしてもすごい衣裳です。

衣裳のデザイン画。

休憩中のダンサーたち。

こちらはクレオパトラ入浴シーンの従者たち。

映画史上最大スケールのクレオパトラのローマ凱旋シーンのために、ローマの社交界から育ちの良い人々が6000人集められ、エキストラとして雇われました。本作は、総計26000人のエキストラのために26000着の衣装と8000足のシューズが作られました。そして、15メートルもの高さのスフィンクスが、300人の奴隷に引かれて登場するのです(電動で動くものではなかった)。

そして、315年に建てられたコンスタンティヌスの凱旋門の下を通過していくのです(ちなみにクレオパトラは紀元前の人)。このシーンのハイライトシーンは、シーザーにウインクするクレオパトラなのですが、ほとんど誰も気づかないほどの地味な演出になっています。

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10万ドルかけて作られた24金ドレス

本気で300人が引っ張らないと動かないように作られた15メートルのスフィンクス。

リズ・テイラーと比較すればスフィンクスの大きさがわかるはず。

青空待ちで一ヶ月以上かかったローマ凱旋シーン。

見よ!このドレスを!空も飛んでいけそうな仰々しさ!

実際のクレオパトラのローマ凱旋は、紀元前46年に4日間に渡って行われた。

後でフィルムを確認した監督は一言「子役が眼をつぶりすぎているから撮り直ししたい」と言い放ち、20世紀フォックスの重役たちを震撼させたのでした。

素晴らしいスフィンクス像の存在感!

真のクレオパトラよりもクレオパトラだった当時30歳のリズ・テイラーの圧倒感。

左右対称の美顔と呼ばれたリズ・テイラー。

衣裳デザイナーのアイリーン・シャラフと。

24金ゆえにずっと立っていられない程の重さでした。

ドレスの全体像が分かる写真。

自分自身でアイメイクを直すリズ・テイラー。

リズのためにメイク道具を持ってあげている子役。

クレオパトラの衣装を整えるアイリーン・シャラフ。

クレオパトラ・ルック13 黄金のドレス
  • 24金ドレス
  • ゴールドのセベク冠のヘッドドレス
  • オールゴールドのフェニックスをイメージした豪華なゴールドレザー・ケープ
  • ゴールドドレス

リズ・テイラーがクレオパトラを演じるために19万4800ドル(現在の150万ドル)かけて65着の衣装が準備されました。その全てをデザインしたのが、アイリーン・シャラフ(1910-1993)です。彼女は元々ブロードウェイ・ミュージカルの衣裳デザイナーでした。そんな彼女がミュージカル映画のためにハリウッドに招かれたのが、1940年代半ばの話でした。1951年の『巴里のアメリカ人』、『王様と私』(1958)、『ウエスト・サイド物語』(1961)といった作品の衣裳を担当し、本作にて、はじめてリズの衣裳をデザインすることになりました。

彼女のわがままと、時間のルーズさと、体重の増減に振り回されながらも、アイリーンは、美術館や資料館に通い、古代エジプトの彫刻や壁画、宝飾品を研究して膨大な衣裳を作り上げたのでした。そして、リズに気に入られ、「もう一緒に仕事をするのはこりごり」と言いながらも、『いそしぎ』(1965)、『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』(1966)『じゃじゃ馬ならし』(1967)で衣裳を担当したのでした。