オ パフメ テヴェール
原名:Eau Parfumee The Vert
種類:オード・トワレ
ブランド:ブルガリ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2025年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/21,340円、150ml/32,780円
公式ホームページ:ブルガリ
史上初めてのお茶の香りにして、最初のブルガリの香り

「オ パフメ オーテヴェール」©BVLGARI

「オ パフメ オーテヴェール」©BVLGARI
調香師の仕事は、まず第一に、イリュージョニスト(奇術師)の仕事である。儚い恋もあれば、長く続く恋もあり、ベルガモットの香りはそのひとつだ。
1992年にブルガリのために「お茶」をテーマにしたフレグランスを考案した。処方には「茶」が含まれていなかったが、ベルガモットと3つの合成香料(化学分子)が含まれており、その匂いは私が表現したかったこととは全く関係なかったが、それらが合わさることでお茶の匂いのように錯覚させ、ストーリーに貢献した。
私の日本への愛を込めて、ベルガモットのアールグレイの香りがするにも関わらず、緑茶の香りがする〝Thé vert〟と名付けるようにお願いしました。
ジャン=クロード・エレナ
私はまずお茶というきっかけを選び、そのずっと後で、パリのブール=ティブール通りにあるマリアージュ・フレールの店(当時は今ほど世界的に有名ではなかった)を訪れた。店でお茶の匂いの全体を感じ、自分の思い描いていたものを裏づけた。こうして体験した現実に基づいてひとつの構成を持った、真実味のある香水を作ったのである。
ジャン=クロード・エレナ
1884年に創業したハイジュエリー・ブランド、ブルガリの香水の歴史は、それほど長くありません。それは「オ パフメ オーテヴェール」と共に、1992年にはじまりました。
史上初めての「緑茶=グリーンティーの香り」。その名も「オ パフメ」=「香りの水」。そして、90年代のユニセックス・フレグランスの流行のはじまりとなった香りでした。
このオーデコロンのオード・トワレ・ヴァージョンとして33年ぶりに、天然のグリーンティー・エッセンスを使用し、94%の天然由来成分によりアップデートされたのが2025年に発売された「オ パフメ テヴェール」です。
ジャン=クロード・エレナが調香したオリジナル版のイメージを出来るだけ壊すことなく、同時にオード・トワレ版が発売された「オ パフメ オーテブラン」の調香も手掛けていたジャック・キャヴァリエが、両作品を手がけました。
ブルガリ香水の女傑、ヴァレンティーナ・コロンボ

ヴァレンティーナ・コロンボ ©BVLGARI
「オ パフメ」二作品のアップデートを決定したのは、2014年にレブロンに入社し、2017年から2024年までアクア・ディ・パルマのマーケティング部門を率いていたヴァレンティーナ・コロンボです。
彼女は2024年11月にブルガリに入社し、25年1月に香水事業部門のマネージング・ディレクターとして、新しいフレグランスを創造するのではなく、メゾンのベストセラーに再び焦点を当てる取り組みに力を入れています。
それはまず「ブルガリ プールオム」のアップデートからはじまります。この試みが成功し、「オ パフメ」も同様のリニューアルが行われることになりました。それらの香りのプロジェクトは、ジャック・キャヴァリエに託されました。
ちなみにブルガリは卸売りを縮小しており、卸売り拠点は、2019年と比べて、1万8000店舗を6000店舗にまで削減し、約5分の1にまで縮小しています。
エレナの精神を、キャヴァリエが引き継いだ〝天然の茶の香り〟

©BVLGARI

©BVLGARI

©BVLGARI
かつてジャン=クロード・エレナは〝この香りにはお茶は入っていません。でも、お茶の香りがする。誰もがお茶の香りだと思っています〟と、ベルガモット、ジャスミン、カルダモンをブレンドしグリーンティーの香りを創造したオリジナル版についての調香のトリックについて話していました。
そして33年の時が経ち、新たなる覚醒を果たした〝ニューオ パフメ テヴェール〟において、なんとジャック・キャヴァリエは天然のインド産のグリーンティーを使用して、より生命力にあふれる香りを生み出すことにしたのでした。
この香りの精神は〝オリジナルの香りにできるだけ手を加えずに、香りを変えることなく、当時はできなかったことを可能にする香料を活用することで、香りを豊かにすること〟です。
かくして生み出されたこの香りは、ダイヤモンドの原石を磨き上げていくように、天然の茶葉を素肌で磨き上げていくように煌めき輝くグリーンティーの閃光に包まれていくようにしてはじまります。
フレッシュな天然のベルガモットエッセンスと、明るく華やぐネロリペタルアコードに、摘み取ったばかりの茶葉から抽出したキリリと引き締まったエッセンスをブレンドすることにより、限りなくシンプルに素肌でグリーンティーを飲み干す、自然に癒されてゆく感覚に満たされてゆくのです。
古代ローマの円柱に着想を得て、ジュエリーを身につけたときの喜びを表現した、人のネックラインを思い起こさせるラインが施された、グリーンが美しいフロストガラスによるボトル・デザインは、ザ・ディファレント・カンパニーにおけるエレナの盟友となるティエリー・ドゥ・バシュマコフが日本の禅をイメージして生み出した形です。
香水データ
香水名:オパフメテヴェール
原名:Eau Parfumee The Vert
種類:オード・トワレ
ブランド:ブルガリ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2025年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/21,340円、150ml/32,780円
公式ホームページ:ブルガリ
シングルノート:ネロリペタル・アコード、グリーンティー、ベルガモット