ジュリア・ロバーツの没落。
テス・スタイル1
- ダスティ・ペール・ピンクのボタンダウンシャツ、胸ポケット
- スカイブルーのタンクトップ
- ブルージーンズをロールアップ
- 黒のローファー
これほどつまらない役柄を演じているジュリア・ロバーツにはなかなかお目にかかれません。果ては、ジュリア・ロバーツに間違われるという役柄まで演じる訳なのですが、ストーリーとしては面白くても、女優としては全く得のない役割を担いました。ヘアメイクの力を削ぎ落とされた女優が、女優ではなくなる瞬間を嫌というほど見せ付けられる作品はそうありません(シリアスな化粧っけのないドラマにおいてもヘアメイクの力をはっきりと感じ取れるものです)。
この作品のジュリア・ロバーツは、あの問題のシーンにおいてもどのシーンをとっても、女優としてのステイタスにプラスになる要素が全く存在しない、ただただ、他の俳優の笑いを引き出す存在に成り果てたのでした。そして、そんな扱いを受けるジュリアを観て、観客は笑うことが出来るか否かを試されるだけなのです。
ジュリアのオレンジ・トレンチコート
テス・スタイル2
- オレンジのトレンチコート
- 白のボタンダウンシャツ
- 白のカプリパンツ
- 白のサンダル
悲しき道化師となったジュリア・ロバーツ
テス・スタイル3
- ショッキングピンクの女優コート
- 黒のノースリーブワンピース
- 籐で編んだ黒色の女優帽
- 黒と白のバイカラーのリボンつきハイヒールトングサンダル
- 黒のサングラス
- 最後のアクセサリーは、ブルース・ウィリス
テスがジュリア・ロバーツのふりをして、オーシャンズ12になるというストーリーに関しては、ただただその緩いノリを楽しめるか否かの問題にすぎません。この作品におけるジュリア・ロバーツはヘアスタイルが成立していないので、ひどく貧相な骸骨のような相貌をさらけ出す結果になっています。彼女の神通力は、ヘアスタイルにボリュームを持たせることによって生み出されたということを嫌というほど知らしめてくれます。
結局のところ、女優は創られるのです。そして、この作品のジュリア・ロバーツは、ジュリア・ロバーツを創り出せなかったのです。