キャロル・ブーケ2　『007 ユア・アイズ・オンリー』5（3ページ）

作品名：007 ユア・アイズ・オンリー　For Your Eyes Only（1981）
監督：ジョン・グレン
衣装：エリザベス・ウォーラー
出演者：ロジャー・ムーア／キャロル・ブーケ／リン＝ホリー・ジョンソン／ジュリアン・グローヴァー／カサンドラ・ハリス

ゴージャスさを生み出せていない毛皮のコート

イタリアのコルティーナ・ダンペッツォに登場するメリナ・ハブロック。

この毛皮のスタイリングは一体正解なのでしょうか？

スキーウェアの中に毛皮姿は明らかに浮きます。

そして、すってん転びます。

特にスキーを滑る訳でもないのですが、イタリアのコルティーナ・ダンペッツォに毛皮のコートを着て登場するメリナ。彼女には、こういったルックよりも、シンプルかつシャープなファッションが似合うのでしょう。最もどんくさいファッションです。

ゴージャスなファッションの欠点は、つまりは場所を選ぶということであり、本当に雪の中で、毛皮のコートを着ることは、好ましくないということなのです。

もうどこからどう見てもボンドガールではなく、ファッションモデルです。

リトルブラックドレス。スカートにはポケットがついています。

スイカを手にしてショッピングを楽しむ二人。一体何の映画なんだ？

清いまでのオールブラックルック。

アドリア海を見つめるメリナのロングヘアが美しい。

ボンドとメリナがギリシアのコルフ島で再会し、『ローマの休日』のような露店で買物デートをします。スイカやザクロが登場するこの世界大紀行シーンこそが、ボンドムービーの醍醐味です。

ダニエル・クレイグのボンドには、こういったシーンがほとんど存在しません。ボンドガールと息抜きするボンドの姿こそ、ボンドムービーのお約束なのではないでしょうか？

ほんの10秒だけの出番となったボンドガールのイブニングドレス姿。

それがこのイブニングドレスです。

キャロル・ブーケにこそたっぷりイブニングドレスを着せて欲しかった。

このウエットスーツがかなり魅力的なのですが、映画の中ではほんの少し登場しただけでした。

ちなみにキャロル・ブーケは、鼻の持病のためダイビング出来ないので、送風機とスローモーションを駆使して撮影を行いました。