ツイードのスーツと、バルドーのシャネル
ジュヌヴィエーブ・ルック2 ツイード・スーツ
- ツイードのスーツ
- 鼈甲の眼鏡
私は私自身に年(1961年)の暮れにとびきり素晴らしいプレゼントを贈ることにした。自分でやるのでなければ、こんなことはできないだろう。私は、アラン・レネの『去年マリエンバートで』を見て、感激した。中でデルフィーヌ・セイリグが「シャネルNo.5」よりも10倍も素晴らしいシャネルのドレスを着てうっとりするような役を演じていた。それで私はそれと同じドレスを着たいと思って、シャネルに行った。するとココ・シャネル自身に迎えられたのである。
彼女は、容姿をないがしろにする風潮に反発し、女性はその生涯のいかなる時期においても身だしなみに気をつけ、可能な限り魅力的でなければならず、自分はそのために戦っていると話してくれた。部屋履きやバスローブ、部屋着をだらしなくしているなんてとんでもない、そういうものこそ素敵にエレガントでなければならない、女性は朝から晩までいかなる時でも、完璧で美しくなければならないとも言った。私は自分がすこし恥ずかしくなった。
ブリジット・バルドー自伝
1961年にアラン・レネが監督した『去年マリエンバートで』でデルフィーヌ・セイリグが着用していたココ・シャネルのデザインによるブラック・シフォン・ドレスをバルドーはココに特別に作ってもらったのも、この作品が製作されたほんの少し前(1961年末)のことです。
ココ・シャネルは私のサイズを測り、ドレスをプレゼントしてくれた。ありがとう、シャネル。あの贈り物は生涯忘れない。
ブリジット・バルドー自伝
永遠のバルドースタイル
ジュヌヴィエーブ・ルック3 ヘアバンド・スタイル
- ネイビーのコート
- わさび色のヘアバンド、バルドースタイル
- わさび色の半そでのセーター
- 黒のチューリップスカート
- 黒のローヒールパンプス
ロジェ・ヴァディムの法則その③
「ウソは疲れるね」と優しく彼女に言ってあげる。そして、彼女はふつ呟く。「昨日からウソをついてばかりの気がするの。なぜかしら・・・」と、男の前で、自分の弱みを見せた瞬間を男は決して逃してはいけない。
そして、男はなぜか、裸で女に掃除を要求し、女はその要求に屈服する。そして、男の一言。「いやらしいのは裸ではなく、それを見る男の視線だ。裸でいろよ。真面目なお嬢様」。堕ちきった女は最後に言う。「10日前の私はもういない。私はすっかり変わってしまったわ。恥じらいもなくしてしまった」。
ロジェ・ヴァディム自身が、10代の頃のバルドーやドヌーヴや他の名もなき女性たちに実践してきたことだろう。しかし、こういう男の試練を受けた女性はなぜかその後、女性として輝いていると感じるのは私だけだろうか?