ベーゼ フー
原名：Baiser Fou
種類：オード・パルファム
ブランド：カルティエ
調香師：マチルド・ローラン
発表年：2017年
対象性別：女性
価格：日本未発売
〝お返しキス〟はホワイトチョコの香り
©Cartier
2005年にカルティエの専属調香師に就任したマチルド・ローランは、2011年に〝盗まれたキス/奪われたキス〟という名を持つウィメンズ・フレグランス「ベーゼ ヴォレ」を発表しました。
元々、2003年に発売された「ル・ベゼ・デュ・ドラゴン（龍の接吻＝キス・オブ・ザ・ドラゴン）」の流れを汲む「ベーゼ」シリーズの新たなるキスとして、2017年3月に発売されたのが「ベーゼ フー」でした。
〝狂気のキス〟という名のこの香りは、口紅を塗ったキスを連想させる、甘くパウダリーな情熱の花・オーキッド（蘭）の香りです。
とても興味深いのは、この香りは、ホワイトチョコレートの香りであり、男性への〝お返しキス〟の香りだということです。つまり〝目を閉じて、キスをお返しする、乙女の祈り〟なのです。
見えない乙女のキス＝見えない愛の宝石。
©Cartier
二人の間の言葉を失わせるような、うっとりするほど静やかに、酸味を感じさせるジューシーなラズベリーの香りが、草原の輝きと共にやって来ます。そんなピュアで心が懐かしくなる情景からこの香りははじまります（砂糖漬けされたラズベリーではなく、摘み立てのラズベリーです）。
すぐに、クリーミーなオーキッドの花びらが開いてゆき、クレーム・ド・フランボワーズが素肌を包み込んでゆきます。そして、ひとまとめになったピュアな口紅の匂いが、ホワイトチョコレートとバニラによって、ラズベリーのミルクセーキのように愛の結晶として広がってゆくのです。
〝見えない乙女のキス＝見えない愛の宝石〟の香りに満たされ、愛を語り合う前に、キスを交し合うのです。ほんとうに大切なものは目に見えないものであることを全身で感じさせてくれる香りです。
香水データ
香水名：ベーゼ フー
原名：Baiser Fou
種類：オード・パルファム
ブランド：カルティエ
調香師：マチルド・ローラン
発表年：2017年
対象性別：女性
価格：日本未発売
トップノート：ラズベリー
ミドルノート：オーキッド
ラストノート：ホワイト・チョコレート、バニラ