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子供 Child – ファッション・コラム

アパレルの終焉
アパレルの終焉
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子供

今もまだ続くある風景を描写してみましょう。特に銀座と心斎橋のラグジュアリー・ファッション・ブランドを扱う店舗で見られる風景です。海外から来た夫婦が、何かを購入する手続きをしているすこし離れたところで、店舗内のソファーに寝転んでゲームをしている子供(もしくは子供たち)。ほとんどはアジア人です。私はヨーロッパでこういう光景を見たことがないので驚かされます。

注意しない親も親であり、子も子ですが、まぁ子供からしたら観光にまで来て、ブランド品の購入に付き合わされることなど退屈極まりないことくらい想像に難くないので同情を禁じえません。こういう時に湧き上がる感情は、単純に「この親にしてこの子ありだな」というものです。実際、しっかりした風体の親の子供は大人しく待っています。

何よりも、この外国人夫婦のお客様だけがこの店舗にいるわけではないということを忘れてはなりません。もしその間に何人かが店舗に入りその光景を見て、すぐに出て行ったならば、それはもう二度と戻らない失ったお客様になってしまいます。美人ほど、欠点が見えると必要以上に失望するのと同じ感情をラグジュアリー店舗から抱くことを、忘れてはなりません。

結論から言いますと。子供を放置するお客様に対して、毅然と注意しなければなりません。そして、それが理解できないお客様には速やかに退出していただけばよいのです。そんなお客様に神経をすり減らして売らないといけないものをあなたは扱っているわけではありません。むしろ、そういう子供がダレている空間に支配されている時間(そういうお客様に限って滞在時間が長い)に、確実に失っている売り上げロスを考えると、早く出て行ってもらうに越したことはないのです。

もっとも、案外、アジア人というのは、日本人も含めて毅然とした態度に対しては、従順なものなのです。

これはある時、シャネルに行ったときの話です。60才くらいの年配の日本人の母親と、30代の娘とその子供(5才くらい)がいました。すでに商品は決まっていて、購入する手続きをしていました(ラグジュアリーは購入してからが長い場合が多く、それは責められるべき所業ではない。なぜなら、常連のお客様とのコミュニケーションであり、新規であれば、これからの関係熟成のために必要な時間だからだ)。一方で、その子供は、走り回っていました。その時、明らかに私を含めて他の来店者は、「なんだこの騒がしさは」とうんざりしていました。シャネルを路面店で購入するお客様の心理の中に、絶対存在する心理は、非日常のラグジュアリーな空間を味わいたいということなのです。それが、このファミリーにより見事に台無しにされているわけなのです。

その時、1人の女性販売員が機転を利かせ、その3人をVIPルームのような別室に移動させました。もし、それがなければ、私を含めほとんどの来店客は、去って行ったでしょう。ラグジュアリー・ブランドを子供と見に来るのは、よほど子供のしつけが出来ていない限り、おすすめしません。

何よりも、子供は退屈し、あなたも販売員も注意散漫になり、周りをイライラさせる公害の元凶となる体験をしながら、あなた自身も買い物をしなければ、ならなくなります。どうせなら、ゆっくりと選ぶに越したことはないのですから。

そして、販売員にとっても、あなたが働いている会社において、ラグジュアリー・ブランドとしてあるべき対応を記したマニュアルを作成するべきでしょう(勿論的確な説明のできる講師と共に。ただの紙切れは内容の理解を生み出しません)。あくまでもこの環境にショッピングに来るお客様は、子供がソファーにふんぞり返ってゲームをする姿や、騒いで落ち着かない子供がいる環境で商品を見たくないということを頭に叩き込まねばなりません。