ウード イスパハン
原名:Oud Ispahan
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:125ml/39,600円、250ml/55,880円
公式ホームページ:ディオール
ディオールでいちばん人気のあるウード
「ウード イスパハン」は、オークルの壁に囲まれたオリエンタルの宮殿の扉を開いた時、思わずその芳香に圧倒されてしまうような香水です。
燃える木のスモーキーな調べが、清らかな手に掬われた甘いフローラルウォーターと交わります。ローズ、フランキンセンス、樹脂が漂い続ける、艶やかで心地よい世界の香り。咲き乱れるオリエントのローズのように、なめらかでセンシュアルな香水です。
フランソワ・ドゥマシー
ディオールの「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール」は、2004年に「コローニュ ブランシュ」「オー ノワール」「ボア ダルジャン」といった3種類の香りが発売され、2009年に「アンブル ニュイ」が発売されました。そして、2010年に一挙7種類の香りが発売され、「コローニュ ブランシュ」「オー ノワール」が廃盤となり全9種類となりました。
その翌年の2011年に「パチョリ アンペリアル」が発売され、2012年には2種類の香りが発売されることになりました。そのうちのひとつとして発売された「ウード イスパハン」は、「レザーウード」に続く第二弾のウードの香りです。ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。
イスパハンとは?
「ウード イスパハン」の〝イスパハン〟とは、一般的にはエスファハーンと呼ばれるペルシャ(現在のイラン)の古代都市です。16世紀末にサファヴィー朝の首都に定められ「エスファハーンは世界の半分」と賞賛されるほどに、西洋と東洋の交通の要衝として繁栄していました。その町の美しさは「イランの真珠」と例えられるほどです。
ダマスクローズの一種であり、ピエール・エルメでも有名なピンク色のマカロン生地に、ライチとフランボワーズにバラの風味を加えたクリームをサンドしたスイーツの名でもあります。
しかし、この香りは、「ウード」が冠されているように甘いお菓子の香りではありません。若き日のクリスチャン・ディオールが東洋のバザールを旅した折に衝撃を受けた物語からインスパイアされています。
シェヘラザードの終わらない香りの世界へようこそ
失われた帝国を蘇らせんと、魔導師がボトルの封印から魔法を解いたかのような、力強くいウードとスモーキーなラブダナム、スパイシーなサフランが解き放たれるように、黒く輝きながらオリエントの宮殿の扉の向こうへと心を奪い去っていくようにして、この香りははじまります。
日本で日常生活を送っている中で、まず香ることはない、神秘的かつエキゾチックな空気に包まれていきます。そんな黒い輝きに翻弄されていると、もうひとつの扉がふいに開くのです。
その扉から、すぐにローズウォーターが贅沢に注ぎ込まれたお風呂からあがったばかりの女性が、しとやかな獣のように、ほんのりピンク色に高揚した裸体をすべりこませてゆきます。そして、ウードとダマスクローズが魅惑の時間を奏でていくのです。
はじまりからはっきりと甘いローズが香っています。ですがウードの暗黒に満たされた実にミステリアスなローズがそこにおられます。そしてインセンスが焚かれ、厳かな空気が穏やかに漂ってゆきます。さらにパチョリが注ぎ込まれ、酔わせるワインのような、ビターチョコレートのようなローズウォーターのキリっとした女性の香りが再浮上していくのです。
最後にすべてがひとまとめになり、ここに時代を超越した、艶やかで心地よい官能的な千夜一夜フレグランスの誕生と相成るのです。さあシェヘラザードの終わらない香りの世界へようこそ。
香水データ
香水名:ウード イスパハン
原名:Oud Ispahan
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:125ml/39,600円、250ml/55,880円
公式ホームページ:ディオール
トップノート:ラブダナム
ミドルノート:ダマスクローズ、パチョリ、サフラン
ラストノート:ラオス産アガーウッド(ウード)、サンダルウッド、シダー