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クリスチャン・ディオール

【ディオール】グラン バル(フランソワ・ドゥマシー)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
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グラン バル

原名:Grand Bal
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2012年
対象性別:女性
価格:125ml/31,500円、250ml/44,500円

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仮面舞踏会の〝ジャスミンの女王〟

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©Christian Dior

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ディオールの「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール」は、2004年に「コローニュ ブランシュ」「オー ノワール」「ボア ダルジャン」といった3種類の香りが発売され、2009年に「アンブル ニュイ」が発売されました。そして、2010年に一挙7種類の香りが発売され、「コローニュ ブランシュ」「オー ノワール」が廃盤となり全9種類となりました。

その翌年の2011年に「パチョリ アンペリアル」が発売され、2012年には2種類の香りが発売されることになりました。そのうちのひとつとして発売された「グラン バル」は、ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。

ヴェネツィアで催される仮面舞踏会(グラン バル)からインスパイアされた、白いボールガウンを着た女性の姿を、ジャスミンが優雅に花を咲かせていく、香りで表現したフローラル・ウッディ・ムスクの香りです。

ディオールのニュールックの本質、それは広がる花びらのように、女性らしさが開花していくところにあります。その精神を投影したのが「グラン バル」です。

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心までメイクアップしてくれる美のエリクサー

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1948年 ©Christian Dior

メアリー・ジェーン・ラッセル、1950年 ©Christian Dior

昔の豪華な舞踏会に魅了されていたクリスチャン・ディオールは、戦争が終わったヨーロッパに、再びその精神を蘇えらせるためにファッションを利用したいと考えました。

フランソワ・ドゥマシー

真夏の夜の舞踏会の賑やかな喧騒からふと夜風に当たりたくなったあなたはディオールの純白のボールガウンを着ています。そんな情景を想わせるオレンジ・ブロッサムのしずやかな優雅さからこの香りははじまります。

以降、ただひたすらに美を引き出す計算された、うつくしい花の香りが広がってゆきます。透明のヴェールが全身を包み込むように広がるグラース産ジャスミン・アブソリュートの登場です。このジャスミンは、ディオール社が特別に契約している農園ドメーヌ ドゥ マノンで栽培されたジャスミンのグラン・クリュです。

夜風に当たるために、バルコニーに出たあなたは、邸宅の下に広がるジャスミンの香りを月の光を通して、全身で受け止めていくように、爛漫の美があなたの中で馥郁と匂い立ってゆきます。恐らく第三者には、あなたは眩しくて直視できないほどに美しい存在であることでしょう。

やがて色気のあるイランイランと清らかなスズランの相反する香りを漂わせる紳士にエスコートされ、舞踏会に復帰してゆきます。そしてクリーミーなサンダルウッド(ニューカレドニア産)の伴奏と共に、ムスクとヘディオンの甘く囁くような抱擁を受けながら、至福のひとときに身も心も満たされてゆくのです。

まさに〝ホワイトフローラルの女王〟。「ジャドール」がディオールのクチュールラインのボールガウンを着たような、「ジャドール」で使用されている素材を、超一級のものに取替えたような香りです。つまり、「ジャドール」で眩暈を感じる人さえも優しく魅了するホワイトフローラルのグラン・クリュです。

ディオールのワードローブを着るということは、ディオールに身も心も預けるということを教えてくれる香り。どうしてディオールを着る人はうつくしく見えるのか?その答えを言葉ではなく、感覚で受け止めることが出来る〝心をメイクアップしてくれる美のエリクサー〟なのです。あなたの心の中からドレスアップしてくれる香りとも言えます。

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香水データ

香水名:グラン バル
原名:Grand Bal
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2012年
対象性別:女性
価格:125ml/31,500円、250ml/44,500円


トップノート:ベルガモット、チュニジア産オレンジ・ブロッサム
ミドルノート:グラース産ジャスミン、ピーチ、ヘディオン、マイヨット産イランイラン
ラストノート:サンダルウッド、ホワイトムスク