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【エルメス】オー デ メルヴェイユ ブルー(クリスティーヌ・ナジェル)

エルメス
©Hermès
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オー デ メルヴェイユ ブルー

原名:Eau des Merveilles Bleue
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/10,670円、50ml/16,390円、100ml/23,320円
公式ホームページ:エルメス

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魔法のブルーの水

モデル:日本人の祖母を持つベルギー出身のモデル、ユミ・ランバート。©Hermès

子供時代の私は、世界中のあらゆるものに興味があり、びっくりすることを楽しんでいました。今でも記憶に残っているのは、海水で濡れた小石でした。それらは独特の色と輝きを持ち、舐めてみると、その塩味とミネラルの味にびっくりしたものでした。

クリスティーヌ・ナジェル

2003年にマルタン・マルジェラの後任としてエルメスのウィメンズラインのクリエイティブ・ディレクターに、ジャン=ポール・ゴルチエ(2004年AWから2011年SSまで)が就任しました。そして、彼の就任を祝うように、翌2004年に「オー デ メルヴェイユ」(=不思議の国の水)が発売されました。

同年エルメスの専属調香師に就任したジャン=クロード・エレナは、翌2005年にラルフ・シュワイガーと共に「パルファム ドゥ メルヴェイユ」を調香し、温かみのあるワインのような香りを生み出しました。

そして、その第三弾として2006年に発売されたのが、キャラメル・ブール・サレ(塩バターキャラメル)からヒントを得て生み出された「エリクサー デ メルヴェイユ」でした。

更に第四弾として2010年に「オー クレール デ メルヴェイユ」、第五弾として2012年に「アンブル デ メルヴェイユ」が発売され、2016年にエルメスの二代目専属調香師に就任したクリスティーヌ・ナジェルが生み出した第六弾の香りがこの「オー デ メルヴェイユ ブルー」でした。

日本では、2017年3月18日(土)に発売が開始されました。

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『ヴィーナスの誕生』の瞬間を捉えた香り

©Hermès

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この香りに日本語名をつけるなら「限りなく透明に近いブルー」でしょう。「オー デ メルヴェイユ」のアンバーグリス・アコードがついに到達した〝限りなく透明に近いマリンノート〟が体感できる香りです。この香りには合成香料カロンは使用されていません。

オリジナルと同じく、フローラルを一切使用せず、女性らしさを表現した香りですが、クリスティーヌらしく、ほぼユニセックスな香りです。

南国のビーチではなく、北国の入り江の透き通るように冷たい海水が小石と流木を浸していくようなミネラルな香りからこの香りははじまります。それは緩やかな波しぶきが、空に吸い込まれていくような不思議な爽快感を生み出してくれます。

この香りにはオリジナル版の主役ともいえるビターオレンジとスパイス類が存在しません。代わりに最初から、発泡するようなホワイトムスクが、レモンとジュニパーベリー、(アブサンのような)アニスと溶け合い、香り全体に煌きを与えてゆきます。

すぐに(海水を蒸発濃縮した塩のヨウ素を再現している)フィルメニッヒ社の合成香料Z11が、潮風が甘く香る奇跡の瞬間を演出してゆきます。そして、アーシィーなパチョリが、海水の香りだけで終わらせない大地の息吹の温かみを加えてゆきます。

つまりは、湿っていて、乾いている海水という不思議な感覚を再現することに成功しています。マリンノート及びアクアノートではなく、この香りがハーバルミネラルノートとでも呼ぶべきミニマルさに包まれているのはそのためです。

それはまさにサンドロ・ボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』のヴィーナスの肌の匂いをクリスティーヌが再現した香りとも言えます。貝殻に絡まる海藻のミネラルな香りと塩水を含んだ髪の毛と肌の香りなのです。

肌にアクアの神通力が生み出されるように、時間が立つほどに、魅力的なミネラルの香りが肌から香り立つ本当に〝魔法のブルーの水〟なのです。

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香水データ

香水名:オー デ メルヴェイユ ブルー
原名:Eau des Merveilles Bleue
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/10,670円、50ml/16,390円、100ml/23,320円
公式ホームページ:エルメス


シングルノート:ジュニパーベリー、パチョリ、ミネラルストーン、ドラフトウッド、ムスク