4.ルイ・ヴィトン
ラグジュアリー・バッグ三大ブランドの名を挙げよと言われたならば、エルメス、シャネル、そして、ルイ・ヴィトンの名が挙がる。エルメスが、ステイタス・バッグ(歌舞伎町や兎我野町で持っていても似合わない真のラグジュアリー・バッグ)ならば、シャネルは、アウトロー・バッグ(ヴァレンティノやサマンサ・タバサと同じく歌舞伎町や兎我野町が似合うバッグ)、そして、ルイ・ヴィトンは、そのどちらにもなりうるバッグ。要するに、所有する女子の全人格を反映する〝リトマス試験バッグ〟なの。 |
ルイ・ヴィトンで働く販売員の前職は、スターバックスの店員、ユニクロの店員からディオールの販売員、全盛期のサン・ローランの店長、フライト・アテンダントまで様々なの。それだけ、今ではこのブランドの店舗が増え、雇用人数が増えたということもあるのだけれど、逆に言うと、ある時期から力を入れていた、新卒採用とルックス採用戦略が裏目に出ている結果でもあるの。
今では新卒採用及びルックスで採用された男女の約半数は3年以内で退職しており、ほとんどがラグジュアリー・ブランドを販売する販売員には明るい未来はないという結論で去っていくわけ。基本的にラグジュアリー・ブランドの販売員ほど、ラグジュアリー・ブランドからほど遠い給与の人々はいないんだけど、銀行員が、お金を扱うからこそ、お金を手にすることに比べると、ラグジュアリー・バッグを扱うからと言ってラグジュアリー・バッグを手にすることが出来るわけではないというこの販売員という仕事は、すこぶる割に合わない仕事であることは言うまでもない現実なの。
現在、ルイ・ヴィトンで働く販売員は、大まかに3種類に分かれるの。
- ファッションに情熱を傾ける20代から30代の若い世代及びアパレル業界で生き残った叩き上げの中途採用組の30代から40代=〝次世代のエリート〟
- ルックスが良くて入ってきたファッション感度とは無縁の〝お客様から学びますちゃん〟
- レジェンドとも呼ばれる、ただルイ・ヴィトンの看板にぶら下がり続けてきた中高年=〝不良債権〟
以上の3種類よ。
ルイ・ヴィトンほど、メディアからの情報よりも販売員との交流が重要なブランドはない。その理由は、100種類近くあるバッグのラインナップという、他のラグジュアリー・ブランドとは一線を画した商品量によるものなの。その中から、ハイセンスなものを選ぶためには、上記の3種類の販売員の中から〝次世代のエリート〟を選ばねばならないんだけど、日本でルイ・ヴィトンをたくさん持っている人に限って、センスの悪いルイ・ヴィトンを沢山持っているのは、これはレジェンドという〝不良債権〟の存在に接客されているからなの。
私は、ルイ・ヴィトンで、最良のファッション・バッグを手にするためには、男性の販売員からのアドバイスを参考にするべきだと思うの(LVの女性販売員は全体的にラグジュアリー・バッグ全体の商品知識が疎い)。ルイ・ヴィトンには、ディオールやサン・ローランなどで働いていた男性販売員が少なからずいるので、外見ですぐに分かるはずよ。
そんな彼らがおすすめするバッグは、とにかく、他ブランドのファッションとも相性が良くて、ステイタスを上げてくれるバッグなの。以下、ルイ・ヴィトンでバッグを購入するときの秘訣を記しておくわね。
- 松屋銀座や梅田阪急5階、全国の路面店といった大型店舗で購入すべし。
- 出来るだけ、ルックスの良い男性販売員に接客してもらうべし。
- 女性販売員ならば、2分くらいで、商品知識を確認して、冷酷に選定するべし。とにかくルイ・ヴィトンほど、販売力がなくても売れるブランドはないので、センスの悪い販売員は、本当にぞっとするくらいセンスが平凡。
- その日に買わない。
- こちらから絶対に販売員に声をかけない。
(圭子・スカイウォーカー)