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【2018‐19年冬】おすすめラグジュアリーバッグPART1<セリーヌ>(2ページ)

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エディター・プロフィール:圭子・スカイウォーカー

生年月日不明。性別不明。国籍日本。見た目は30代前半、身長170cmくらい。藤圭子にすごく似ている。ラグジュアリー・ファッションに対する情報の幅の広さから、恐らく現役の関係者と推測される。本人とのやり取りはメールと電話と二度っきりの会見のみ。口癖「ファッション誌はあてにならないので読まないわ」。大好きなものは「ダイアン・アーバスの写真とニーナ・シモン」、最も嫌いなものは、「SNSに夢中な女子と、プチプラ自慢する人たち」とのこと。(長谷紅記)

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1.セリーヌ

前シーズン記事 2018年春夏おすすめラグジュアリーバッグPART12<セリーヌ>

最後のフィービーだから、ほとんどのセリーヌ・バッグが販売終了になると思いきや、ラゲージやビッグバッグ、ベルトバッグ、トリオは、エディ・スリマンのセリーヌになろうともしばらくは、継続販売されることが決定!

でもエディのことだから気まぐれにいつなくなるか予断を許さないの・・・。だから、私は、この冬はセリーヌを一押しするのよ。「失われた時を求めて・・・今こそセリーヌのフィービー・バッグを持って町に出よう!」

2018年9月に、2019年春夏パリ・コレクションが開催されたの。そんな中、セリーヌは、マイケル・コース(1997-2003)によって本格的にスタートした婦人服のプレタポルテの歴史を、2008年から2018年にかけてのフィービー・ファイロの黄金時代を経て、新たなるクリエイティヴ・デザイナー・エディ・スリマンにバトンタッチしたの。

かつて2001年にディオール・オムをスタートさせ(2007年まで)、サンローランのデザイナーに就任(2012-2016)後は、イヴ・サンローランのイメージをロック・スタイルに革新させ、不死鳥の如くブランドを蘇らせた男エディ・スリマン。そんな彼が、セリーヌ史上初のメンズラインの立ち上げと、フィービーが作り上げたウィメンズ・ラインを、かつてのサンローラン・テイストをそのまま持ち込んだような、若々しくて、スキニーなテイストに一変させたのよ。

このセリーヌの春夏コレクションを見て、ほとんどの人は、サンローランのコレクションにタイムスリップしたのか?と困惑したはず。つまりは、エディ・スリマン信者のための定番演歌リサイタルのようなお約束コレクションであり、新しいセリーヌを見たかった人々にとっては、がっかりさせられたコレクションだったの。





ディオールにしてもルイ・ヴィトンにしても、もはやそこにいる主任デザイナーの役割は、ブランドイメージを進化させる役割を飛び越えて、ただ単に、コラボレーションしているだけという表現の方が相応しい感じがするの。

エディによるセリーヌ、ヴァージル・アブローによるルイ・ヴィトン、デムナ・ヴァザリアによるバレンシアガ、ブランドのイメージを無視したデザイナーの起用が、長期的なブランディングの視点から見れば、非常に危険であることは、間違いないのだけれど、グッチ生え抜きのアレッサンドロ・ミケーレによって開けられたパンドラの箱=分かりやすい派手な柄及びロゴブームが拍車をかけ、そのブームが沈静化するまでは、ラグジュアリーストリートと共に、ラグジュアリー・ブランドは前進するしかない四面楚歌な状況に追いやられているの。

多くのファッション・ブランドが、滅びの序曲を迎えている=淘汰の始まり、現在のファッション・シーンに立ち会える私たちは、実に幸福なのかもしれない。特に来年には、確実に一変されるセリーヌのフィービーの遺産バッグを年末に購入しない手はないと考えるのは私だけでないはず。

それにしても何度も繰り返すんだけど、エディ・スリマンの新生セリーヌのコレクション。これがセリーヌである意味があるのかしら?そして、今までセリーヌを愛してくれていたお客様に対してLVMHグループはどう考えているのかしら?ブランドイメージに対するお客様の愛情を甘く見たラグジュアリー・ブランドが栄えたためしはないのよ。若者へ取り入ろうとする露骨な姿勢は、今までのお客様に愛想をつかされ、若者からも〝ダサく〟感じさせる結果になるはず。

ルイ・ヴィトンのメンズ・ラインにおけるヴァージルの器用にしてもそうだけど、流行から超然とした姿勢を取ることを放棄したセリーヌって、一時は売り上げが上がるだろうけど、下手をしたら、LVMHグループ滅亡のきっかけを生み出す落とし穴かもしれないと考えるのは私だけかしら。

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クラスプ・ミディアム 465,000円 ★★★★★




腹を割って話すと、私は、サンローラン時代のエディ・スリマンに夢中だったの。でも、彼の最大の弱点は、バッグに対するデザイン能力が低いと言うこと。今回発表された16(セーズ)C(セー)トリオンフには全くひきつけられないの。むしろ、クラスプのような洗練されたハンドバッグの方が、流行に流されない超然とした女性を演出してくれそうで、強く私をひきつける。

きっかけは紅葉のシーズンがはじまろうとしていた少し前に、表参道のパン屋さんで見たある風景。50代の長身の上品な女性が、このバッグを片手に、フランスパンの紙袋をもう一方の手に持ち、ハイクのトレンチコートとロッシのハイヒールパンプス姿で、お店を出てくる姿に遭遇し、一目惚れしたのバッグというのは、店頭に置いてある姿よりも、女性に持たれてこそ真の姿が見えてくるものなの。

1950年代のマーク・クロスや、バーグドルフ・グッドマンで売ってそうなクラシカルながま口タイプのデザインが、上質なカーフレザーの外観と、ナッパラムスキンによるライニングのコントラストによって、〝究極の女性のエレガンス〟を演出してくれるのよ。

2017年の春夏コレクションに登場したこのバッグは、エディ・スリマンのセリーヌでは廃盤になることが確定している、僅か1年半の命だった〝幻のバッグ〟よ。もうホームページでは購入できないので、直営店に問い合わせして手に入れるしかないの。とにかく急いで、手に入れて頂戴!