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スティーブ・マックイーン

スティーブ・マックイーン7 『華麗なる賭け』3(2ページ)

スティーブ・マックイーン
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作品名:華麗なる賭け The Thomas Crown Affair (1968)
監督:ノーマン・ジュイソン
衣装:セオドア・ヴァン・ランクル/ダグラス・ヘイワード
出演者:スティーブ・マックイーン/フェイ・ダナウェイ/アストリッド・ヒーレン

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大人の男のためのカジュアル・ルック集

タイムレスなマックイーン・スタイル。一方、フェイ・ダナウェイのスタイルは明らかに時代性を感じさせる。

トーマス・クラウン・スタイル10 ラグジュアリー・カジュアル
  • ダークトーン・ブルゾン
  • カットソー
  • カーキのコットンパンツ、ベルトループなし、サイドアジャストつき
  • ブラウンスエードのデザートブーツ



トーマス・クラウン・スタイル11 ウインドブレーカー
  • ブルーのジャージ生地のウインドブレイカー、ホワイトフロントジップ、スタンドカラー、3つのポケット
  • ブルーのスニーカー
  • ダークブルーデニム
  • ダークブルーベースボールキャップ

本作におけるダグラス・ヘイワードのスーツを着るマックイーンが魅力的なのは、スーツだけでなく、カジュアル・スタイルにおいても、大富豪であるという設定(現実の自分に近い役柄)を、〝これ見よがし〟ではなく、〝さらり〟と演出している所にあるのです。

このシーンで流れるジャズを含めて、『シェルブールの雨傘』の音楽も担当したミシェル・ルグラン(1932-)がはじめてハリウッド映画進出した、本作における音楽は冴えに冴えています。それはスタイリッシュ・シックスティーズの空気に満ち溢れています。

ルグランはまず本作の5時間のラフ・カットを見た上で、6週間のヴァケーションを取りスコアを書き上げました(元々ノーマン・ジュイソンは、ヘンリー・マンシーニを希望していたが、スケジュールが合わなかった)。そうして、生まれた申し分なくお洒落なスコアが今も生き生きとしているのは、そのスタイリッシュな音楽に負けない存在感を示せる男がそこにいたからでした。

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蛍光色さえもクールに変えるこの男の存在感。

メイヤーズ・マンクス・デューン・バギーの上に立つマックイーンとフェイ・ダナウェイ。

マックイーン自身がカスタムしたバギーだった。

実際にフェイ・ダナウェイも助手席に乗り、撮影が行われました。

そして、マックイーンは容赦なくぶっ飛ばしました。

横を見たら、フェイは目の玉をひんむいていたよ。彼女がヒールで突っ張っていたもんで、床は傷だらけさ。そして、あるシーンではバギーごと海に突っ込んでしまった。「フェイはずぶ濡れになりながらもニッコリ笑って車から出てきた。まさに騎兵みたいな女なんだ!」

スティーブ・マックイーン

蛍光色さえもクールに着こなす男マックイーン。

トーマス・クラウン・スタイル12 ネオンカラーシャツ
  • オレンジ・ボタンダウンコットンシャツ、ロールアップ、2つのフラップ付き胸ポケット
  • ダークネイビーのスイミングトランクス
  • ペルソールPO714

彼はその作業状況をチェックするために2度やってきましたが、その2度とも、赤いマセラッティに乗って、Tシャツにブルージーンズという出で立ちでした。彼は個人的な用向きで来た男といった感じで、リラックスし、無頓着で、彼がここで触れ合う連中には押しなべて礼儀正しく接しました。そして、彼は来た時と同様に静かに去っていったのです。

マックイーンがバギーのカスタムメイドを依頼したカーショップの従業員

3ピースのスーツで、静かにキメていた男が、一転して、カジュアル・ウェアを着て、バギーで暴走します。

スティーブ・マックイーンの魅力、それは普段は、サムライのように、じっと静かに佇んでいるが、ひとたび動き出すと、どうにも止まらない程に、男が痺れるほどの魅力を発散するのです。