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舞台恐怖症(1950)【映画の中のファッション】(3ページ)

マレーネ・ディートリッヒ
マレーネ・ディートリッヒ
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マレーネ・ディートリッヒの美の中心に存在する眉毛。






ディートリッヒが何よりも素晴らしいのは、クリスチャン・ディオールの仕立てた衣装を着ても、マレーネ・ディートリッヒである所です。これが、カーラ・デルヴィーニュやジジ・ハディッドのようなファッション・モデルとは、まったく違う次元のファッション・アイコンである理由です。

後者は服を着ることが仕事であり、それだけで何かを表現できると考えている〝お馬鹿さん〟たち(そういった風潮に迎合したことが、ファッション業界を幼児化させた理由のひとつです)であり、前者は、歌を唄い、映画の中で演技を魅せる女性が、その服を表現のツールとして利用している違いにあります。

つまりは、インスタと映画の違いです。今のラグジュアリー・ファッションは、インスタ・スケールでちっぽけなものに成り下がり、スクリーン・スケールではないということです。

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衣装は全てマレーネ・ディートリッヒに任されました。



衣装の選択は、すべてディートリッヒにお任せするという条件で出演したこの作品のために、彼女は長期に渡りパリ滞在し、クリスチャン・ディオールのアトリエを通いつめました。

そして、この頃、彼女が付き合っていた男性は『西部戦線異状なし』『凱旋門』などを書いたドイツ人の作家エーリヒ・マリア・レマルク(1898-1970)でした。

一流の女性は、つねに一流の男性を求めるのです。

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伝説のディオール・ディートリッヒ・ガウン








本作のハイライトとも言えるのが、このアフリカハゲコウの羽根で作られたディオール・ディートリッヒガウンです。

そして、ディートリッヒは、この時共演していたマイケル・ワイルディング(1912-1979)とも恋愛関係になるのでした。この男性はほんの数年後に、エリザベス・テイラーの二番目の夫になる人です。40代を過ぎて輝き続けるディートリッヒとのロマンスが、この男性にリズ・テイラーを勝ち取るチャームを手に入れさせたのでしょう。

魅力的な女性は、男性にとって、チャームを手に入れるヨーダのようなものなのです。