ルッス
原名:Rousse
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2007年
対象性別:ユニセックス
価格:不明

スパイス界のレッド・センセーション=シナモンの香り

©Serge Lutens

©Serge Lutens
優雅できらめきに満ち、甘く官能的な肌の香り。セルジュ・ルタンスが「ルッス」に込めたインスピレーションは、祖母が焼き菓子を作り、ジャムを煮ていた、幼い頃の記憶から生まれた。
「ルッス」はシナモンが際立っている。それはスパイシーで、ほとんどチクチクするほど鋭く、まるで無数の小さな星の爆発で構成されているかのようだ。このスパイスは樹皮でもあり、ベージュから赤みがかった茶色へと変化しながらも、唯一無二の存在感を保つ。想像上のシナモン、それは彼女の髪の色のイメージを捉えようとし、見過ごされがちなスパイスへと織り込んでいます。
セルジュ・ルタンス公式サイトより
かつてパレ・ロワイヤル本店限定の「レフラコンドターブル」コレクションのひとつとして発売されていた「ルッス」は2007年に誕生しました。「ルッス」とは、フランス語で「赤毛、ジンジャー」を意味します。オリエンタル・スパイシーの香りはクリストファー・シェルドレイクにより調香されました。
この香りの主役はスパイス界のレッド・センセーション=シナモンです。シナモンとは、スリランカ原産のクスノキ科の小型常緑樹セイロンニッケイの内樹皮から得られる香辛料であり、世界最古のスパイスとされ、『スパイスの王様』とも呼ばれます。古代エジプトにおいてミイラ作りのための防腐剤としても使用されていました。
現在においては、アップルパイやシナモンロールといった食用に用いられ、日本では京都の名産・八橋に使用されています。
ミレーヌ・ファルメールの伝説のライブを見て生み出された香り


この香りは、セルジュ・ルタンスが、唯一愛するリアルタイムのフランスのミュージシャンのミレーヌ・ファルメール(1961-)の復活の伝説のライブを見て感化を受け、生み出されました。
その壮大な仕掛けゆえに、パリのベルシーのスタジアムのみで13日間行われた「Avant que l’ombre… à Bercy ツアー」のフィナーレの曲『Avant que l’ombre…』 で着ていたフランク・ソルビエのレッドドレスとミレーヌの赤毛と赤い照明、そしてストリップしていくミレーヌの天に昇るような美しさがインスピレーションの源です。
古代エジプトの神秘=美しいミイラの作り方


太陽が頭上に落ちて来そうなほど、ジューシーなオレンジに、燃えるようなシナモンが絡み合う感覚からこの香りははじまります。まさにキャンディーのようなシナモンが素肌にとろけて匂い立ちます。
すぐにドライなシダーウッドとサンダルウッドを吹き抜けた風に乗り、コスメティック・パウダリーなヴァイオレットとクリーミーなイリスバターが、シナモンをパウダリーな蜃気楼で包み込んでゆきます。そして、淡くてどこか物憂げなシナモンが軽やかに広がってゆきます。
ほんのちょっぴりシャープでピリっとスパイシーなクローブ(カーネーション)とほのかに甘いバニラとコカコーラのようなアンバーがアクセントとなり、シナモンにうっとりするような温かみのある透明感と神秘の薬草の妖しいきらめきを与えているようです。
甘すぎず、ドライすぎず、ウッドやスパイスが強すぎず、ヴァイオレットとカーネーションの組み合わせがコスメティックすぎず、(少しアップルパイのムードはあるが)フルーティーすぎないという絶妙な塩梅なのです。
食用のシナモンというよりも、あなたをミイラとして防腐するシナモンシャワーに包み込んでくれるこの香りは、古代エジプトの神秘=永遠の生命を与えてくれるかのような、おだやかにゆるやかに昇天する感覚であなたを包み込んでくれる香りです。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「またもやルタンスの混迷期の作品。クローブとシナモンを入れたホットワインの香りに、アニス(あるいはキャロットシードか)の強い香りが混ざっている。結果、お粗末な作品となっている」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ルッス
原名:Rousse
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2007年
対象性別:ユニセックス
価格:不明


シングルノート:アンバー、マンダリン・オレンジ、クローブ、樹脂、シナモン、アイリス、シダー、バニラ

