ロー
L’Eau Collection 2009年に誕生したセルジュ・ルタンスの新ライン「ロー」(通称:ルタンスの水・シリーズ)。「ロー」とは、フランス語で「水」の意味であり、過剰な香水の匂いに満ち溢れたこの世界に対する反乱という〝アンチ・パフューム〟のコンセプトで生み出されたこの香りは、世を支配する作為的な香りと一線を画した香りのコレクションです。
アンチ・パフューム=アンチ・ルタンスという皮肉
セルジュ・ルタンスという「アート・オブ・パフューム」を象徴するブランドが、「水の芸術」を生み出そうとしたこのコレクションは、2009年に「ローセルジュルタンス=セルジュ・ルタンスの水」、2011年に「ローフォアッド=冷たい水」、2014年に「レーヌドゥヴェール=ガラスのウール」、2016年に「ロードゥパイユ=藁の水」と4種類発表されました。
しかし、「ローフォアッド」と「ロードゥパイユ」は2019年5月21日よりスタートした新ライン「コレクションポリテス」に組み込まれました。
それは、実質的に「ロー コレクション」のコンセプトであるアンチ・パフューム宣言を撤回した瞬間でした。そして、何を隠そうセルジュ・ルタンス自体が、過剰な香水の匂いに満ち溢れたこの世界を生み出していた張本人であったことを自覚した瞬間でもあったのです。
全ての香りは、クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。