ヒプノティック プワゾン オーセンシュアル
原名:Hypnotic Poison Eau Sensuelle
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2010年
対象性別:女性
価格:不明
モニカティック・プワゾン
1985年に世界中にセンセーションを与え、ディオール帝国の復活の狼煙となった「プワゾン」から9年後の1994年に第二弾となる〝やさしい悪魔〟「タンドゥル プワゾン」が発売されました。そしてその4年後の1998年に発売された〝第三の毒〟それが「ヒプノティック プワゾン」でした。
「眠りを誘う毒」という意味を持つこの香りは、1996年にディオールのクリエイティブ・ディレクターに就任したジョン・ガリアーノ(1960-)が、はじめてフレグランスのクリエイションに関わった作品です。プワゾン・シリーズの中でも最高傑作といわれているこの香りは、21世紀の魔女、アニック・メナードにより調香されました。
ディオールに悪魔を召喚したこの香りが、2010年に「ヒプノティック プワゾン オーセンシュアル」として、魔性の美女の形を借り、転生したのでした。名付けて『魔界転生したヒプノティック プワゾン』。ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。
ステルスボトルの〝最も危険な赤い毒リンゴ〟
〝最も危険な赤い毒リンゴ〟それは、素肌にとろけて匂い立つ、ステルス化した毒リンゴなのです。オリジナルの毒リンゴで、インドールを発散させていたジャスミンの代わりに、透き通るようなフルーティなイランイランを使用し、アイスクリームのように甘くて冷たいバニラと、クリーミーなサンダルウッド、白昼夢のように幻想的なムスクが、チューベローズに円やかな妖艶さを与え、満ち広がらせてゆきます。
すぐに、生えてきた牙を持つ女吸血鬼は、その牙が見えないように、爽やかなオレンジ・ブロッサムと華やかなカトレヤによって、官能の美女の装いで〝甘い罠〟を仕掛けていくのです。生き血を吸うように、生き生きと香りを広がらせるカトレヤのミステリアスな甘さが特徴的です。
キャンペーン・モデルとしてモニカ・ベルッチが光臨しました。アルフレード・カタラーニ作曲による歌劇『ワリー』の「さようなら故郷の家よ」の中の〝あの白い雪のどこかへ、あの黄金の雲のどこかへ〟を歌うマリア・カラスの歌声に乗せて、もう反則としか言いようのない官能的な姿を見せてくれます。
香水データ
香水名:ヒプノティック プワゾン オーセンシュアル
原名:Hypnotic Poison Eau Sensuelle
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2010年
対象性別:女性
価格:不明
トップノート:イランイラン、オレンジ・ブロッサム、ダマスクローズ
ミドルノート:オーキッド、チューベローズ
ラストノート:サンダルウッド、バニラ、ムスク