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【エルメス】オー ドゥ パンプルムス ローズ(ジャン=クロード・エレナ)

エルメス
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オー ドゥ パンプルムス ローズ

原名:Eau de Pamplemousse Rose
種類:オーデコロン
ブランド:エルメス
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2009年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/17,600円
公式ホームページ:エルメス

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太陽よりも明るくきらめくホワイトミモザの香り

©Hermès

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この香りは、〝ピンクグレープフルーツ〟ではなく、〝グレープフルーツとローズ〟をテーマにしています。私は、匂いと言葉で遊ぶこのアイデアが好きです。このコロンは、柑橘系を基調とした現代的な〝クラシック〟です。

ジャン=クロード・エレナ

エルメスのコロン発売30周年を記念し、2009年4月30日に『コロン エルメス』が発売されました。その三作品のうちの一つが「オー ドゥ パンプルムス ローズ」です。エルメスの初代専属調香師ジャン=クロード・エレナにより調香されました。

〝パンプルムス〟とは、フランス語で〝グレープフルーツ〟の意味です。ローズとの組み合わせが新鮮なこの香りには、フィルメニッヒ社のルボフィックスというグリーンルバーブの香りがする分子が使用されています。

ゲランの『アクア アレゴリア』シリーズの名香パンプルリューヌとよく比較されるスパークリングするホワイトミモザの香りです。

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うっとりするほど美しいあの絶頂をもう一度

©Hermès

踊りというものはこれでいい。意味もなく、言葉もなく、ただ美しい形がふとあらわれて消えて行く。消えてしまうから、私たちは、千年もの間繰り返したのであろう。

白洲正子

日本の風土に合うエレナの香りの魅力は、一言で表現すると〝意味もなく、言葉もなく、ただ美しい形がふとあらわれて消えて行く。消えてしまうから、私たちは、繰り返し使う〟なのでしょう。彼の香りに、多くの日本人が惹きつけられるのは、持続しない美(美しき絶頂)を表現してくれるからです。

星々のきらめく天の果て越えて地上に到達したグレープフルーツのきらめきからこの香りははじまります。地上の柑橘のきらめきではなく、星のきらめきと水のせせらぎを感じさせる、何かを祝福するように弾けるホワイトミモザの香りです。つまりは、太陽よりも明るいグレープフルーツがそこにおられるのです。

このグレープフルーツの香りは、ルボフィックスのピリっとフレッシュなグリーンルバーブとオレンジにより生み出されています(天然のグレープフルーツの香料で、香りを安定させることは非常に難しい)。

うっとりするほど美しいグレープフルーツは最初から最後まで、とろけてそそる酸っぱさを広がらせてゆきます。すぐにローズがふんわりとよろめきながら、花を咲かせてゆくのです。華やかに、でも恥ずかしげにグレープフルーツのきらめきに隠れるように…

そして、グレープフルーツは、ほのかなイソEスーパー(シダーウッド)とベチバーにより、その滴り落ちる果汁とローズウォーターを大河のように集め、全身にみずみずしさを広がらせてゆくのです。

ローズ イケバナ」と「テール ドゥ エルメス」の延長線上で作られた香りだけあり、これらの香りとのレイヤリングの相性は抜群です。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「オー ドゥ パンプルムス ローズ」を「野菜のコロン」と呼び、「サヤヌカグサ、ハーブ、トマトの葉っぱなどを巧みに操り、特別仕様の野菜ブイヨンをレザリーな「ケリー カレーシュ」やマンゴー風の「ナイルの庭」と同じくらい変化に富んだ香りに仕立てた。」

「ここでは苦味のあるオレンジの皮が、本物に近いパンプルムス(フランス語でグレープフルーツ)の鮮やかなトップノートを引き伸ばすのに一役買っている。それでも輝きはあまり長く続かない。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:オー ドゥ パンプルムス ローズ
原名:Eau de Pamplemousse Rose
種類:オーデコロン
ブランド:エルメス
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2009年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/17,600円
公式ホームページ:エルメス


シングルノート:グレープフルーツ、オレンジ、ローズ