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【エルメス】オー ドゥ バジリック プープル(クリスティーヌ・ナジェル)

エルメス
©Hermès
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オー ドゥ バジリック プープル

原名:Eau de Basilic Pourpre
種類:オーデコロン
ブランド:エルメス
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2022年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/18,480円
公式ホームページ:エルメス

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なぜ彼女はパープルバジルを愛するようになったのか?

©Hermès

私がパープルバジルを好むようになったきっかけは、数年前にさかのぼります。30年もの間、ドメーヌ・ドゥ・クルソンで開催される3日間の植物フェスティバルに毎年のように足を運びました。

小道をぶらぶら歩いていると、通り過ぎそうになるほどちっぽけな露店に出くわしました。チョコレートバジル、パイナップルバジル、アニスバジル、パープルバジルなどのバジルの苗木が並んでいました。

色合い、香り、形、どれをとってもバラエティに富んでいるこのシンプルなバジルたちに魅了されました。想像もしていなかったのですが、この小さな世界が、触ったり揉んだりすることで、より広い香りの世界へと広がっていくのです。特に驚いたのがパープルバジルです。その香りはより深く、より強烈でした。私の目には、他のバジルとは一線を画しているように映りました。

クリスティーヌ・ナジェル

エルメスのコロン発売30周年を記念し、2009年4月30日に『コロン エルメス』の三作品が発売されました。その第五弾として2022年7月15日に発売された香りが「オー ドゥ バジリック プープル」です。エルメスの二代目専属調香師クリスティーヌ・ナジェルにより調香されました。

ファーマーズ・マーケットのバジルのディスプレイからインスピレーションを得て、〝一吹きで、爽快感と胸いっぱいの喜びを〟呼び覚ましたいという思いでナジェルが生み出したこの香りの主人公はパープルバジルです。

それは、ふと見落としがちな、シンプルな生活の中に潜む〝真のラグジュアリー〟をパープルバジルに託した香りともいえます。もしかしたらナジェルが敬愛する〝野菜の魔術師〟アラン・パッサールのサラダから大いなる影響を受けたのかもしれません。

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ベルガモットとバジルのマリアージュ

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アラン・パッサールのサラダ

パープルバジルが主役でありながら、(通常のバジルのような)グリーンのボトルから解き放たれるこの香りは、はじまりから、弾けるようなバジルとゼラニウムが五感を刺激するように、自然からの恵みそのままに肌に運んでくれるように広がってゆきます。

地中海の太陽を思わせるカラブリア産ベルガモットがとても重要な役割を果たしています。バジルに生き生きとした生命力を与え、華やかさと色鮮やかなハーブの閃光ですべてを包み込んでいくのです。

地中海の太陽の下、ラグジュアリー・ホテルの白いバルコニーで朝食のサラダにドレッシングをかけた瞬間に鼻腔をくすぐる、至福のフレッシュグリーンの香りに愛されていくようです。

やがて、スパイスとアーシィーさの繊細なアクセントが加わり、温かくも洗練された空気によってうっとりするようなバジルのリュクス感で満たされていくのです。

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香水データ

香水名:オードゥバジリックプープル
原名:Eau de Basilic Pourpre
種類:オーデコロン
ブランド:エルメス
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2022年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/18,480円
公式ホームページ:エルメス


トップノート:グリーンベルガモット
ミドルノート:パープルバジル、ゼラニウム
ラストノート:パチョリ