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【ル ラボ】シトロン28 ソウル(ダフネ・ブジェ)

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シトロン28 ソウル

【特別監修】Le Chercheur de Parfum様

原名:Citron 28 Seoul
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:ダフネ・ブジェ
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:1.5ml/1,650円、15ml/22,110円、50ml/48,730円、100ml/70,180円
公式ホームページ:ルラボ

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世界一活気に満ちた国『韓国』を象徴する香り

©LE LABO

2020年8月3日にル ラボは「シティ エクスクルーシブ コレクション」の新作として「シトロン28」を、ソウル限定の香りとして発売しました。いまやル ラボの専属調香師と呼ぶべきダフネ・ブジェにより調香されました。フランス語でCitronとは、レモンを指します。

世界的に、映画・音楽といったエンターテイメントの分野において完全に先頭を突っ走っている『韓国』は、日本の若者に対しても、大いなる影響力があります。そんな世界一勢いのある国の首都ソウルをテーマに生み出したのがこの香りです。

創始者のひとりであるエディ・ロスキーが2016年に韓国のソウルを訪れたときに、出店した梨泰院周辺を歩いていたときに感じた「エネルギッシュな街、アジア特有の喧騒の中にも、一歩、違う道を進めば、突然現れる美しい公園や、田舎風な町並み」といった印象を、恐らく一緒にいたであろうダフネが共に感じ取り生み出された香りです。

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コードネームは「シトロン・ボエーム」

©TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

この香りの制作にあたり「シトロン・ボエーム」というコードネームがつけられました。なぜこのコードネームがつけられたのか?ということをルシェルシェパルファム様に考察して頂きました。以下、彼のお言葉となります。

「シトロン・ボエーム」とは〝ボヘミアのシトロン〟という意味です。まず最初に私は、〝ボヘミア〟とは、チェコのボヘミアのことを指しているのだろうと考えました。しかし、チェコと韓国(ソウル)に関係性は見つけ出せませんでした。

ということはボヘミア(ボエーム)とは、地方ではなく「ボヘミアニズム」のことではないかと次に考えました。ボヘミアニズムとは、自由奔放で、伝統をものともしない、型破りなライフスタイルを実践することであり、特に芸術的・文学的・音楽的な追求を含みます。このボヘミアニズムを実践する人をフランス語でボエームと言います。

つまり、伝統的なレモン(シトラス)の香りではなく、型破りな芸術的レモンを作ろうとした試みをボヘミアニズムという言葉に託しているのだろうと結論付けました。なぜならこの香りは、レモンがくると待ち構えていると、驚くほどジャスミンなレモンがやって来るのですから。

そして、ソウルこそが、伝統的なキムチやマッコリのイメージもある一方で、K-POPやサムスン電子、整形など世界の流行の最前線を突っ走る、ボヘミアニズムを象徴する都市だからです。

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ソウルの香りがなぜ「シトロン」なのでしょうか?

韓国で最も有名な紅茶、シルロンティー。

それではなぜソウルがシトロン=レモンなのでしょうか?それは韓国で最も売れている紅茶(1993年6月に発売された韓国初の紅茶飲料であり、日本で言うところの「午後の紅茶」です)であるシルロンティーのイメージから来ているのかもしれません。

このシルロンティーは、甘さが強めのレモンティーです。そして、販売元のロッテ七星=ロッテグループの本社はソウルにあります。

ちなみに韓国と言えばスパイスが一番最初に頭に浮かぶのですが、欧米のハーブのようなスパイスと違い、韓国は調味料のようなスパイス=唐辛子系が主流なので、香水で表現するべきではないと判断したのではと勝手に推測しております。

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K-POPのように弾ける〝若さという果汁を絞りつくす香り〟

©LE LABO

K-POPが世界的に通用するのは、ハングル(正確には韓国・朝鮮語)とラップの相性の良さにあります。ハングルはある意味、英語以上にラップ向きといえます。つまりはスピード感と心に突き刺さる情熱を生み出してくれるリズミカルな言語なのです。

そんな軽快なK-POPの最も盛り上がる瞬間15秒前が、ボトルから解き放たれるように、若さとエナジーに満ちたレモンが弾けるようにしてこの香りははじまります。

すぐにジンジャーにより点火されたジャスミンが、グリーンかつビターなレモンを〝甘酸っぱい熱狂〟の渦に巻き込んでゆきます。さりげなく(ハングルの歯切れのよいラップのように)イソEスーパーが、レモンピールの苦味にウッディの爽やかな円やかさを与えてゆきます。

世界一エネルギーに満ち溢れる街ソウルを象徴するような自然のシトラスと、人工的なまでに華やかなジャスミンが融合した若さの躍動を前にして、若き血は豊かに波打ち、身も心も真っ白に燃え尽きたい衝動に駆られます。

そして、至福のドライダウンへと到達するのです。ホワイトムスクとシダー(イソEスーパー)のうっとりするようなクリーミーな甘やかな余韻に包まれてゆきます。スパイシーな要素を、ジンジャー以外ほぼ排除して韓国の世界観を見事に作り出した作品です。

日本には「ガイアック10」がある!しかし、ここに強敵現る!

恐らくドルチェ&ガッバーナの「ライトブルー」から香水に興味を持った人々にこの香りを嗅がせてあげると、天地がひっくり返るほど驚いてしまうことでしょう(それはまるで40人くらいのアイドル集団で満足していた人々が、韓流スター達を見た瞬間に圧倒されてしまうあの瞬間のようでもあります)。

すべてが一流すぎる踊りも歌唱力もルックスも語学力も完璧すぎる香りです。

ただひとつだけ難点を挙げると、〝大人の魅力はまったく存在しない香り〟であるということです。だからこそ素晴らしい!大人が失った領域を徹底的に征服する香りとも言えます。

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「ライトブルー」「オーダドリアン」などとの比較

©Goutal Paris

まず「シトロン28」と比較してみたくなるのが、ドルチェ&ガッバーナの「ライトブルー」です。ただしこちらはレモンでの比較はほとんどできません。アンブロクサンが広まるきっかけになった香水なので、嗅いでみると合成ムスク特有のぼやっとした感じで、少し塩気のある香りがずっと続いていきます。

大きな変化はあまり無く、没個性的で、嫌味のない香りです。それは一見単調さを感じさせるのですが、よく嗅いでみるとかなり複雑です。これに比べると「シトロン28」はもっとジャスミンの花っぽさが感じられ、「ライトブルー」の南国のような塩っぽさはありません。そして「ライトブルー」にはないレモンの苦味が感じられるのも「シトロン28」の特徴です。

より的確な比較をするならば、ビター系シトラスの代表格であるグタールの「オーダドリアン」や、フレデリック・マルの「コロン インデレビル」、あと、邪道ですがルラボの「ベルガモット22」と「フルールドランジェ27」を重ね付けしてみると「シトロン28」に近しい香りがします。それだけ、この香りはフローラルかつ少しビターでありながらムスキーなのかもしれません。

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香水データ

香水名:シトロン28 ソウル
原名:Citron 28 Seoul
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:ダフネ・ブジェ
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:1.5ml/1,650円、15ml/22,110円、50ml/48,730円、100ml/70,180円
公式ホームページ:ルラボ


トップノート:レモン、ジンジャー
ミドルノート:ジャスミン
ラストノート:シダー、ムスク