クロエ ロー
原名:Chloé L’Eau
種類:オード・トワレ
ブランド:クロエ
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:30ml/9,460円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
〝究極のクロエの水〟=ネオシプレローズ
香水の歴史において2008年という年は『クロエ革命』が勃発した年として記憶されるほど、2月(日本は2008年4月2日)に発売された「クロエ オードパルファム」は、世界中にクロエ旋風を巻き起こしました。
2009年と2015年には「クロエ オードトワレ」、2012年に「ロー ド クロエ」、2013年に「ローズ ド クロエ」、2016年に「クロエ フルール ド パルファム」とフランカーが次々と発売されました。
そして、2012年に発売された「ロー ド クロエ(L’Eau de Chloe)」の究極形態として、2019年9月13日に発売されたのが「クロエ ロー(Chloé L’Eau)」でした。〝究極のクロエの水〟はミシェル・アルメラックにより調香されました。
2018年に発表された「ノマド」の影響を強く受けているこの香りは、もしかしたら、アルメラックからジボダンのクエンティン・ビスクに引き継がれ作られた可能性があると言えるほど、「ノマド」のネオシプレを感じさせる香りです。
姿勢の美しいローズ、隙のない淑女のうなじの香り
クロエローズの中でも、もっとも洗練された女性のために捧げられた香りと言えます。そんな〝究極のクロエの水〟は、明るくフレッシュなグレープフルーツが弾けていく情景からはじまります。すぐに甘酸っぱいライチが優しく注ぎ込まれ、ローズが粛々と花を咲かせてゆくのです。
水のせせらぎさえもよく聞こえる京都の古い寺院で行われるスペシャルなイベントに参加しているような、静謐さに包み込まれた〝姿勢の美しいローズ〟がそこにおられます。すべての香料が最初から最後まで、決して大声をあげずに丁寧語で話しかけてくれているようです。
やがて、クリーミーなマグノリアと甘いジャスミンが、ローズとグレープフルーツに会釈するように溶け込んでゆきます。だんだんとオークモスとパチョリによる、パウダリースパイシーなネオシプレの静謐なる空気もうっすらと漂っています。
それはまるで甘やかさを放棄したローズに、それ以外の魅力をすべて与え、エレガンスと秘めたる情熱を感じさせるアンバームスクの余韻で、心を透かしてローズの失われた甘さを心の中にそっと残していってくれるようです。
重々しくない〝軽やかなエレガンス〟。シトラスもフルーツもフローラルもシプレもすべて見事に調和された世界。谷崎潤一郎の文学の中で生きているようなローズ。隙の無い淑女がうなじの髪を掻きあげた時に流れる水のような香りです。
ドライダウンは、どこかエリザベス・アーデンの「グリーンティー」を想わせます。
当時のクロエのミューズだったアメリカの映画女優ヘイリー・ベネット(1988-)がキャンペーン・モデルとして登場しています。
香水データ
香水名:クロエ ロー
原名:Chloé L’Eau
種類:オード・トワレ
ブランド:クロエ
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:30ml/9,460円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
トップノート:ローズ、グレープフルーツ、ライチ
ミドルノート:ダマスクローズ、マグノリア、ジャスミン
ラストノート:オークモス、シダー、ムスク、アンバー