オードリー・ヘプバーン

オードリー・ヘプバーンのすべて【1953】中編(3ページ)



    オードリーがジバンシィと踊っているサブリナドレス





    オードリー・ルック<1953年>10 サブリナドレス
    • 映画『麗しのサブリナ』
    • デザイナー・ユベール・ド・ジバンシィ
    • ストラップレスで、ドレス全体に、18世紀の白ビーズが散りばめられている。ペンシルスカートの周りに、同じ花柄のパネルが、後ろになびくパネル・スカート。白シルクのオーガンジー生地。バスト部分とパネルの裾に施された黒のシルクの糸による花柄の刺繍。ヘムに黒色のラッフル。≪イネス・デ・カストロ≫にインスパイアされたデザイン。ジバンシィ1953SS
    • 長めの白グローブ
    • アクセサリーは、真珠のイヤリングのみ
    • 黒の低めのサテンのパンプス。レネ・マンシーニ1953SS

    『麗しのサブリナ』のアイコンドレスと言えば、ウエストから下に翼が生えているような印象を与えるこのカクテル・ガウンです。ジバンシィが古代ギリシア建築に見られる幾何学様式を自分の服にも応用したこのドレスは、装飾を取り払ったシンプルな装いにこそ、ファッションの真髄があると信じて疑わなかったオードリーにとって、理想のドレスでした。シンプルなように見えて実に手の込んでいるドレスです。

    オードリーは、ジバンシィの前で、このドレスを選び、軽く踊りました。それを見たジバンシィは、このドレスのことを〝スノードリフト・ドレス〟と形容するようになりました。吹雪の中、波打つ雪原のように優雅にドレスが波打つからです。史上初めて、オートクチュールのデザイナーに直接会って、衣装を選んだ24才のハリウッド女優。現在のあらゆる国の女優と何が違うのでしょうか?間違いなく美容整形も、コスメも、ファッションの質量も、進化しているはずなのに、何かが今の女優には足りません。

    それは情熱でしょう。自分の行動力で、そのファッションを芸術に消化させようという意気込みがないということです。ただ、新しいものからおしゃれなものを見つけるサイクルを繰り返すだけ。ファッションはそれだけでは意味を成しません。情熱的なエッセンスを加えなければ、ファッションはただの資源の無駄使いで終わります。オードリー・ヘプバーンとユベール・ド・ジバンシィにあって、今の私たちにないものを真剣に考える時期になった気がします。そんな自戒の気持ちも込めて、このメディアは創造されています。


    元祖小悪魔ルック。「リトルブラックドレス」





    オードリー・ルック<1953年>11 リトルブラックドレス
    • 映画『麗しのサブリナ』
    • デザイナー・ユベール・ド・ジバンシィ
    • うねの入ったコットン・ピケ。ウエストの絞りとフレアの対比が素晴らしいバレリーナスカート。両肩にリボンのストラップ付き。深いVバックでボタンダウン。フロントはホリゾンタルネックライン。深くカーヴィーなアームホール。ジバンシィ1953SS
    • 黒グローブ
    • リトル・プリンセス・ハット。耳をほとんど覆いつくす中世風のトーク。黒のヴェールとラインストーンをちりばめたヘッドドレス。ジヴァンシィ1953SS
    • 黒のローヒールパンプス。レネ・マンシーニ1953SS
    • イヤリング以外に余分なアクセサリーはなし

    ユベール・ド・ジバンシィの前で衣装を選ぶオードリーの目に、1926年にココ・シャネルが発表したリトル・ブラック・ドレスにインスパイアされたデザインが飛び込みました。「〝デコルテ・バトー〟と呼んでいたドレスです」とユベールは言います。「のちに〝デコルテ・サブリナ〟と呼ばれるようになりました。オードリー・ヘプバーンはこのネックラインを愛していました。オードリーが最後に選んだこのドレスは、自分のコンプレックスである鎖骨を隠し、美しい肩のラインを強調してくれるというポイントで選ばれたものでした。ジバンシィはこのドレスに、帽子を組み合わせるとは想像もしていませんでした。

    「オードリーは、いつもファッションにひねりを加えました。何か粋な、驚きを与えるものを衣服に加える人でした。3つのコスチュームを選ぶにあたって、私もアドバイスはしました。しかし、彼女は何を自分自身が求めているかよく知っていました。自分の似合うものも似合わないものも知り尽くしていました。そして、私は、ここまで私のコレクションを着こなしてくれる人なら楽しみだと考え、衣装を提供しました」。オードリーとユベールの信頼関係の始まりです。



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