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ジェームズ・ボンドボンド ガール

【007は二度死ぬ】ジェームズ・ボンド日本上陸

ジェームズ・ボンド
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【007は二度死ぬ】

You Only Live Twice 『007 サンダーボール作戦』の大ヒットによりショーン・コネリー=ジェームズ・ボンドの人気は、世界的に頂点に達しました。1964年に東京でオリンピックが開催され、世界的にアジアブームが起きる中、満を持して日本列島横断大ロケーションに臨んだのがシリーズ第五作となる『007は二度死ぬ』でした。

イアン・フレミングが実際に来日した経験を元に書いた原作は1964年に発表されました。この原題は松尾芭蕉の俳句をもじりつけたものでした(奇しくもフレミングが生前に発表した最後の作品となる)。

すでにボンド役を継続することに、役者としてのイメージが固定されることを恐れたショーン・コネリーは、この作品の後、一度降板することになります。それは、日本列島横断大ロケーションの中で、想像を絶する野次馬に取り囲まれながら撮影することにうんざりした為とも言われています。

一方、日本において東宝が完全協力する形で、丹波哲郎(1922-2006)と二人のボンドガールとして若林映子(1939-)と浜美枝(1943-)が起用されました。

本編のほとんどのシーンが日本で撮影されたこともあり、銀座4丁目交差点を歩くジェームズ・ボンド、相撲を見るボンド、ホテル・ニューオータニの前でトヨタのスーパーカーに乗るボンド、姫路城で忍者部隊のトレーニングを受けるボンド、日本人になるための手術を受けるボンドという風に、ボンドの日本紀行を見ているような気分になる愉快な作品です。

そして、極めつけは、スペクターの首領ブロフェルドの登場です。物語が100分過ぎたころにはじめて登場するこの男の姿を見ただけで、ボンドムービー史上最高の悪役の一人にこの男が挙げられる理由を知ることになります。

1966年から中国では、毛沢東による文化大革命が行われていました。一方、1967年、日本では、ジェームズ・ボンドによる文化大革命が始動したのでした。日本中の男たちは皆、ジェームズ・ボンドになりたいと渇望し、英国のスーツ文化に対して深い憧れを持つようになったのでした。

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あらすじ

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アメリカの宇宙衛星ジュピター16号が、宇宙空間で謎の飛行物体により姿を消すという怪事件が起こり、米ソ間に緊張が走ります。一方、イギリスの諜報機関MI6はこの飛行物体が日本周辺で離着陸している事実を突き止めます。

ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)が香港で殺害されたように偽造工作した上で、事実確認のために、彼を日本に送り込みました。日本に上陸したボンドは早速、謎の女アキ(若林映子)から、情報源のヘンダーソンを紹介されるのですが、ボンドの目の前でヘンダーソンは殺害されるのでした。

ボンドはその刺客を殺害し、刺客に成りすまし、敵のアジトに忍び込みます。そして、その場所が大里化学工業の本社であることを突き止めます。ボディーガードと格闘の末、金庫の中の飛行物体に対する極秘資料を奪い去り、その場を去ります。

その夜、アキと再会したボンドは、彼女の上司である公安の秘密調査室のトップ・タイガー田中(丹波哲郎)を紹介されます。翌日、大里化学工業の本社に赴き、大里社長とその秘書ヘルガ・ブラント(カリン・ドール)と面会するボンドは射殺されるすんでのところをアキの乗るトヨタGT2000によって救出されるのでした。

神戸に停泊中の大里科学工業の貨物船が事件に関わっているという事実を掴み、早速神戸に急行する二人だったが、敵の罠にかかりボンドは捕らえられました。ヘルガの尋問を受けるも脱出に成功したボンドは、Q(デスモンド・リュウェリン)と共に到着した秘密兵器のオートジャイロ「リトル・ネリー」に乗り、飛行物体が現れたという〝神戸と上海の間にある島〟上空を飛びます。

早速、数機のヘリコプターに襲撃されるも返り討ちにしたボンドだったが、同じ時期に今度はソ連の宇宙船が謎の飛行物体に拿捕され、米ソはもはや一触即発の状態になってしまいます。

ボンドは、タイガー田中の訓練基地である姫路城で武術の訓練を受け、日本人漁師に変装することにします。しかし、アキもボンドの身代わりとして殺害されてしまいます。もはや一刻の猶予もないボンドは、島の海女キッシー(浜美枝)と偽装結婚し、島内に紛れ込み、島の火山口に秘密結社スペクターの秘密基地があることを突き止めます。

ボンドは、単身秘密基地に乗り込むも敵に捕らえられ、ついにスペクターの首領である宿敵ブロフェルド(ドナルド・プレザンス)と顔を合わせることになったのでした。今まさに、米ソの開戦のきっかけになるであろう最後の工作用ロケットが発射されようとしています。さぁ、ボンド君。ロケットを破壊し、ブロフェルドの世界征服の野望を阻止することが出来るだろうか!?

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ファッション・シーンに与えた影響


ついに日本上陸を果たしたボンドムービーは、1966年撮影当時、同時期に日本上陸を果たしたビートルズと共に、日本社会において一大旋風を巻き起こしたのでした(1967年の映画の興行成績は『黒部の太陽』に次ぐ第2位)。

そして、この作品がファッション・シーンに与えた影響は以下のひとつにつきます。

  1. 欧米人から見た日本の魅力を日本人自身が知るきっかけになった

1964年の東京オリンピックと1970年の大阪万博を通して日本は、世界に対して独自の文化を示すことになります。そして、2020年の今、「1960年代の日本の姿」をイギリス人の目線で映像に残してくれた本作を通して、とても新鮮な日本の姿を見ることが出来ます。

この作品の中に、私たちの母や父、おばあちゃんやおじいちゃんが生きてきた日本の姿が確実に存在します。そこにはスウィンギング・ニッポンとでも呼ぶべき今は失われた〝日本の美〟とクールネスが存在するのです。

作品データ

作品名:007は二度死ぬ You Only Live Twice(1967)
監督:ルイス・ギルバート
衣装:アイリーン・サリバン
出演者:ショーン・コネリー/若林映子/浜美枝/丹波哲郎/カリン・ドール/ドナルド・プレザンス