チャンス オー フレッシュ
原名:Chance Eau Fraiche
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:ジャック・ポルジュ
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:50ml/14,520円、100ml/20,350円
公式ホームページ:シャネル
チャンスを掴みたければ、お水の世界に!
1996年の「アリュール」(2001年に発売された「ココ マドモアゼル」は「ココ」のフランカーである)以来となるシャネルの女性用の新作フレグランスとして、2003年に発売された「チャンス」シリーズの第ニ弾として、「チャンス オー フレッシュ」は2007年に発売されました。
シプレ・フローラル・スパークリングのこの香りは、シャネルの専属調香師ジャック・ポルジュにより調香されました。
フレグランスにおけるフランカーの名前は、インテンスかオーフレッシュという鉄則を手堅く守ってきたシャネルのチャンスの第二弾「オー フレッシュ」は、「水も滴るいいオンナ」をイメージした香りです。
キレキレの鋭いシダーとピリッとしたピンクペッパーに渇を与えられえるようにしてレモンは爽やかに弾け飛ぶようにしてこの香りははじまります。15秒くらいで失速しそうなほどハイテンションなレモンは、パチョリ・クールにより、シトラスの魅力を予想以上に持続させてくれます。
やがて、ウォーターヒヤシンス=マリンノート(2004年の「アリュール オム スポーツ」を思わせる)が甘いジャスミンと絡み合い、霧のようなレモンに包まれながら「乾いたこの花に 水を与えて下さい。金色のレモンひとつ 胸にしぼって下さい」と〝愛の水中花〟を歌いはじめます。
そして、水と色気を滴らせながら心地よく疲労した肉体は、陸に上がり、素朴な森を感じさせるチークウッドの香りに包まれていきます。
さらに、ホワイトムスクとアンバーが加わることにより、キレキレのダンスを踊る女性が、汗だくになり、シャワーを浴びた後に、まどろんでいるような心地よさに包まれていきます。
シャネルによるバルバロッサ作戦成功す
発売当時のアメリカ人のイメージ(そして、「チャンス」のターゲットは北米市場)では、ショッピングモールに充満するプチプラとポップスターを愛するティーンエイジャーの甘さ控えめな爽やかな香り。
甘さを求めるならオリジナルの「チャンス」、そうでないなら「オー フレッシュ」という、分かりやすいマーケティング戦略が、見事に功を奏しました。そして、この瞬間、シャネルにとって「チャンス」は、まだまだシャネルのアイテムを購入することが出来ない若者との架け橋となり、ブティックで服を買う前に、コスメカウンターでコスメを購入するという流れを生み出したのでした。
このラグジュアリー・ブランドにおける〝バルバロッサ作戦=囲い込み作戦〟は、「私には、まだまだシャネルは敷居が高い」と考えていた若い女子たちを見事に取り込んでいったのでした。
そして、2002年から2007年にかけて行われたこの作戦の成功を目の当たりにしたディオールをはじめとする他のブランドは、第二、第三のバルバロッサ作戦を仕掛けていくことになるのです。ここに、ファッション・フレグランスにおける「仁義なき戦い」の幕は切って落とされたのでした。
今回のキャンペーン・モデルは、ファッション・モデルのシャーロット・ディ・カリプソ(1990-)です。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「チャンス オー フレッシュ」を「ケミカル・フローラル」と呼び、「チャンスをものにしようとし過ぎた。残念なほど平凡。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:チャンス オー フレッシュ
原名:Chance Eau Fraiche
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:ジャック・ポルジュ
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:50ml/14,520円、100ml/20,350円
公式ホームページ:シャネル
トップノート:レモン(シトロン)、シダー
ミドルノート:ピンク・ペッパー、ウォーター・ヒヤシンス、ジャスミン
ラストノート:チークウッド、アイリス、アンバー、インドネシア産パチョリ、ベチバー、ホワイト・ムスク