ヴィンテージショップにこそ宝物は眠る。
オススメ店その11。Dolce
京都市中京区蛸薬師通御幸町西南角 TEL.075-255-2626
京都タカシマヤを出て、信号を渡り対面に行きましょう。そして、少し西上し、寺町通を北上しましょう。そして、二つ目の大きな筋である蛸薬師通を左に入り、御幸町通にそのヴィンテージ・ショップ『Dolce』はあります。ここはよくあるアメカジのヴィンテージではなく、グッチやフェンディ、セリーヌ、プラダなどのハイエンドの素晴らしいヴィンテージの宝物が集まっています。
更にここの魅力は、販売員の方が、この町屋ストリートの雰囲気を漂わせつつも、常にセンスの良い常連のお客様が来るほどの親しみやすさに満ちている点です。ハイエンド・ヴィンテージショップ特有の入りにくさを感じさせますが、はっきりと断言します。ここは京都・四条に来たなら寄らずに帰ると絶対に後悔します。バッグ、シューズ、アクセ。ドレッシーなものカジュアルなものと本当にセンスのよいヴィンテージ・アイテムで溢れています。しかも、正直言って、安いです。
インターネット上でほとんど情報がない理由は明確です。常連のお客様にとって、掘り出し物が多い貴重なヴィンテージ・ショップなので、自分だけの宝島にしたいということなのでしょう。本当に素晴らしい掘り出し物で囲まれた京都でも有数のヴィンテージストアです。さて日は暮れてきました。私の財布も軽くなってきました。さぁ、最後の進軍を行いましょう。ファッション・タワー、京都BALへ向かいます。
『死亡遊戯』。ファッション・タワーを攻略せよ!
2015年8月、壮大なる外観が、河原町通に現れました。この通りは21世紀に入り、1998年11月にオープンしていた河原町OPAの影響もあり、すっかり若者のストリート(コギャル、ギャル男がたむろするストリート)と化する中、旧京都BALはオシャレビルのイメージよりも、廃れ果てたファッションビルというイメージで、ファッション感度の高い人々からも敬遠されるビルとなってしまっていました。
この時期の京都四条は急速に渋谷コピーの若者ファッションで溢れかえるチープセンスな二流都市に成り下がっていました。そんな中、京都BALは休館し、2年7ヶ月リニューアル期間に入りました。そして、ハリウッドのルーズベルトホテルを連想させる、クラシカルなアメリカの雰囲気を漂わせるファッション感度の高いスペースへと変貌を遂げたのでした。その中に入るテナントのチョイスも良く、特筆すべきはネオ・トゥモローランドとキャバンです。京都・四条でここを訪れずして、ファッション・ルートの攻略はありえません。
オススメ店その12。ロン・ハーマン
京都BALの最上階にまず上がりましょう。このビルはつまりは、ブルース・リーの『死亡遊戯』のバトル・タワーのようなものなのです。ファッション感度を楽しんで高めるバトルタワーです。まずは最上階(6F)にあるロン・ハーマンからはじめましょう。そのショップの作りが実に変わっており、中庭をつっきる形になっています。ファッションビルに必要な未知の要素を詰め込めている所も京都BALの素晴らしさです。
ここのセレクトは、実に素晴らしく、イマイチ、ミーハー族の多い男性のセレクトと比べて、しっかりとしたバイイングで好感が持てます。何よりも女性販売員の方々が、このビルにおいて最もファッション感度の高い水準に達しており、彼女たちが、ファッション感度の高い女性客の滞在時間を長くする役割を担っています。
ステラ・マッカートニー、マーク・ジェイコブス、アズディン・アライア、マノロ・ブラニク、ハイク、ジル・サンダー、カルヴェンなど、ハイエンドのセレクト・アイテムが集まり、それが、メンズとは対称的に実に魅力的にディスプレイされています。メンズのディスプレイが、洗練を感じさせない一方で、ミッドタウン、グランフロント、ラシック、千駄ヶ谷、神戸BALどこのロン・ハーマンに行っても、レディースは魅力的に見え、メンズはおまけのように見えてしまいます(特にミッドタウンのメンズは可哀想)。
オススメ店その13。エストネーション
そして、下の3Fに向かいましょう。そこにはエストネーションがあります。残念な商品展開のメンズとは対照的に、レディースは充実したセレクト展開をしています。京都BALはビル内のショップ間での商品のバッティングが避けられるように、ある意味ロン・ハーマン、エストネーション、トゥモローランドの三位一体理論が有効に働いています。
このビルの戦略の巧みさと、拙さは、これだけ明確な戦略をとっておきながら、それをお客様に伝えきれていない点です。大胆ではありますが、明確な事実を言うと、京都在住の方で、ファッションに対して、自信がなく、でもオシャレに興味がある人にとって、私が示したファッション・ルートのすべてを無視して、このビルの3店舗さえチェックすれば、まず間違いなくオシャレなスタイリングをして頂けることでしょう。つまり、ココ以外はもう何もいらない「京都のファッション聖地」に成りえる潜在能力を秘めているのです。