スローダンス
原名:Slow Dance
種類:オード・パルファム
ブランド:バイレード
調香師:ジェローム・エピネット
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/26,070円、100ml/38,170円
公式ホームページ:バイレード
思春期最後の日のチェリーとコニャックの香り
2006年に創立されたバイレードから、2019年に発売された「スローダンス」は、ジェローム・エピネットによって調香されました。
プロムをテーマにしたこの香りは、〝子供から大人への扉が開くとき〟をイメージした香りです。アメリカやカナダと違い、タキシードとドレスを着てこのような行事を、日本の高校で行うことはないので、米製のホラー映画や青春映画の中でしか縁のない世界です。
そのためこの香りのテーマをより分かりやすくイメージする必要があります。それは、初恋が叶う奇跡の瞬間=手と手が触れ、心が通じ合う瞬間です。
そんな「スローダンス」は、スローバラードと暖色のライティングに包まれた甘いオポポナックスに注ぎこまれるコニャックの心躍る気持ちからはじまります。香りの隙間から不安げに顔を覗かせるチェリー(もしくはプラム)のような甘酸っぱさがこの香りのテーマの代弁者です。
すぐに、クリーミーなラブダナムが注ぎ込まれ、スローダンスの背景に焚かれるスモークのように最初から最後までこの香りを酔わせる役割を果たしてくれます。
やがて、ハーバルなゼラニウムとヴァイオレットが、フレッシュな若々しさを香りに付け加えてゆきます。そして、スロームードなオポポナックスと見事なコントラストを生み出す中で、生き生きとパウダリーハニーのような甘さを放ちます。
いよいよラストダンスの時がやってきます。ドライダウンと共に、オポポナックスは、スイートなアンバーの側面をより強く際立たせながら、バニラと溶け合うように、スモーキーなパチョリを昇華させるように肌に馴染んでゆくのです。
心が温かくなるオリエンタルバニラの香りなのですが、日本人がこの香りを嗅いでも(恐らく欧米人であっても)、プロムのイメージが沸かない可能性の高い香りだと思います。プロムよりはクリスマスシーズンの香りです。
香水データ
香水名:スローダンス
原名:Slow Dance
種類:オード・パルファム
ブランド:バイレード
調香師:ジェローム・エピネット
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/26,070円、100ml/38,170円
公式ホームページ:バイレード
トップノート:オポポナックス、コニャック
ミドルノート:ラブダナム、ヴァイオレット、ゼラニウム
ラストノート:バニラ、パチョリ