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マレーネ・ディートリッヒ3 『上海特急』1(2ページ)

マレーネ・ディートリッヒ
マレーネ・ディートリッヒ
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ディートリッヒの〝ドレスの基本ルール〟

アンナ・メイ・ウォンとは実生活でも仲良くなりました。

首元にフェザーをつけたアール・デコ・ドレス。

ディートリッヒの作品には、非現実的な立ち振る舞いの美学があります。

ディートリッヒとお抱え運転手ブリッグス。フォン・スタンバーグより贈られたロールス・ロイスと共に。1931年。

上海リリー・ルック2 ホワイト・フェザー&ブラックガウン
  • 黒のキャップに鶏冠のようなホワイト・フェザーとヴェール
  • ブラックガウン、七分丈、手首の部分は網目になっており、スパンコール(少しメーテル風)
  • 黒手袋、ショートレンジ

基本のルールはこうです。つまり、最新の流行を追わないこと━やがてそれが、おかしく見えるようになるでしょう。グリーンや赤など、派手な色のドレスは買わないこと。ワードローブは狭いのだから、何度でも着られるものだけにしぼりたいものです。そこで、おすすめしたいのは黒、ネイヴィーブルー、グレイ。セパレーツはよしましょう。一着分の値段で五着買える、なんていう店員の言葉は信用しないこと。見映えがよくても、生地が安いものなら手を出さない。高いものはちょっと・・・なんていわないで、それならその分お金をためればいい。せいぜいグレイの(ネイヴィー・ブルーは光ります)スーツのいいものを一着と黒のドレス二着、黒のウールのスカート一枚、黒とグレイのセーターを一枚ずつもっていれば、夏まで間に合う。夏にはさっぱりとしたコットン・ドレスを着ればいいのですから。助言をもうひとつ。いつもいつも洗濯屋に出さないように。汚れただけをスポット・クリーニングし、自分でアイロンしなさい。そのほうが長もちします。そして、良品のスーツを買うための貯金中のデートには、とりあえず黒いセーターとスカートで、胸を適度に目立たせて装いの優雅さを損なわない限り、それでじゅうぶん。

マレーネ・ディートリッヒ

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ファーが生み出すアンバランスなバランス

コートの柔らかな質感と、ディートリッヒの頬骨のギャップ。これこそが白黒の光と影が織り成す奇跡の瞬間。

そして、ファーコートに軍帽の退廃的なアンサンブル。まさにディートリッヒの真骨頂。

逆説的な言い方をすると、ディートリッヒとは戦時中にのみ輝くことが出来たスタイル・アイコンだったのかもしれません。

美しいファーと、美しいドレスのドレープ。

上海リリー・ルック3 ファーコート
  • 右手首にだけファーがある面白いアシンメトリーなデザイン、ロシアのカスピ海北岸の子羊の巻き毛のコート
  • 英国軍の軍帽
  • コットン・ベルベットの黒のロングドレス

マレーネ・ディートリッヒは、1930年代からさまざまな種類が販売され大流行したコールドクリームというものをけっして使用しなかった。そして、太りやすい彼女は、ダイエットをする時は、カロリーを無視して、コーヒーと紅茶をひたすら飲み、エプソム塩(下剤用の塩)のたっぷり入った湯を何杯も飲み、しきりに煙草を吸うだけだった。