ミア・ファロー

ミア・ファロー8 『華麗なるギャツビー』2(2ページ)

    作品名:華麗なるギャツビー The Great Gatsby (1974)
    監督:ジャック・クレイトン
    衣装:セオニ・V・アルドリッジ
    出演者:ロバート・レッドフォード/ミア・ファロー/ロイス・チャイルズ/サム・ウォーターストン/ブルース・ダーン/カレン・ブラック



    セオニ・V・アルドリッジ

    プレゼンテーターのローレン・バコールよりアカデミー衣裳デザイン賞を受け取るセオニ・V・アルドリッチ。1975年4月8日。

    本作の衣裳を担当したギリシア出身の衣裳デザイナー、セオニ・V・アルドリッチ(1922-2011)は、1974年度のアカデミー衣裳デザイン賞を受賞しました。1950年代からブロードウェイの舞台衣裳デザイナーとして活躍し、社会現象にまでなった『アニー』(1977)、グレン・クローズ主演の『バーナム』(1980)、『ラ・カージュ・オ・フォール』(1983、日本語題『Mr.レディ Mr.マダム』で映画化)の衣裳デザインで、三度のトニー賞を獲得しています。他にも『コーラスライン』なども手がけており、舞台空間をフルに使った群舞シーンを華やかにする衣裳デザインにおいて、彼女の右に出る者はいません。

    そんな彼女が映画の衣裳デザインを担当したのは、同胞のメリナ・メルクーリ主演の『日曜日はダメよ』(1960)と『トプカピ』(1964)からでした。本作でアカデミー受賞後もフェイ・ダナウェイ主演の『ネットワーク』(1976)や、『ゴーストバスターズ』(1984)、シェールがアカデミー主演女優賞を獲得した『月の輝く夜に』(1987)などの衣裳をデザインしました。

    ギャツビー邸での、壮大なパーティシーン。

    セオニが、本作の衣裳デザイナーとして契約したのは、撮影開始寸前でした。そのため衣装の準備期間は、僅か2週間しかありませんでした。最も膨大な衣装が必要とされるパーティシーンまでの準備期間も2か月間しかありませんでした。そんな中、彼女は、ミア・ファローのための30点、レッドフォードのための20点の衣装を含む総計1900点の衣装を見事に準備したのでした。

    アカデミー衣裳デザイン賞を受賞したスピーチでセオニは、ラルフ・ローレンへの感謝を一切述べませんでした。それは公開後、衣装に関してすべてラルフ・ローレンが担当したといわんばかりのメディアの取り上げ方と、ローレン自身が、アカデミー賞にノミネートされるべきだとスタジオへ働きがけたことが、彼女の自尊心を大いに傷つけたからでした。

    本作でラルフ・ローレンの衣装が使用されたのは、ギャツビーの全てのネクタイとシャツと2つのスーツだけでした。そして、その全ては既製品からセオニ自身がチョイスしたものでした。つまり、タキシード、バスローブ、水着はラルフ・ローレンのものではありません(実際のところ、レッドフォードはラルフ・ローレンのシャツを嫌っていた)。

    だから、セオニは、ラルフ・ローレンがメンズ・クローズをデザインしたというクレジットが気に入りませんでした。しかし、もう一言追加するならば、ラルフ・ローレンの衣装を抜擢したのも、セオニ自身であり、彼女は、ラルフの衣裳こそギャツビーに相応しいと感じ取っていたのでした。



    シルクのヘッドスカーフを巻きつけ入浴するデイジー

    デイジー・ブキャナン・ルック4   バス・スタイル
    • オレンジ・シャーベット・プリントされたシルクのヘッドスカーフ




    本当に美しいキャプリーヌとマルセル・ウェーブ

    8年ぶりに再会するギャツビーとデイジー。

    美しいシフォンガウンのバックシルエット。

    ミア・ファローのおどおど・くりくりした特徴的な目。

    どこか中国風のガウンとも言えます。

    デイジー・ブキャナン・ルック5  ロマンスパープル・ドレス
    • 薄紫色のホースヘアのキャプリーヌ、紫色の花飾りがたくさん
    • ペールパープル色のシフォンガウン
    • ペールパープル色のシルクドレス
    • 白のハイヒールパンプス
    • 長いパールネックレス

    私がはじめてセットでミア・ファローと会ったとき、ライラック・シフォン・ハットの下から見えるそのルックスに、思わずうっとりして、息を呑んで見入ってしまいました。それまで私は、ミア・ファローをテレビでしか見たことがなく、私の彼女に対するイメージは、デイジー・ブキャナンの対極に位置するものでした。しかし、あの時のミアを見て、私はジェーン・フォンダなんじゃないかと混乱してしまいました。

    フランシス・スコット・フィッツジェラルド

    衣裳デザイナーのセオニ・V・アルドリッジは、母国ギリシアの夕暮れを連想させる色彩として、ラベンダーカラーを愛しており、最も重要なシーンでデイジーにこの色を着せました。フィッツジェラルドは、原作の中で、デイジーとジョーダンの衣装について、「生地が波打つ白いドレス」と記載しています。1920年代において、白の服装は富裕さの象徴でした。当時のフラッパーは、汚れも気にせず、一度着れば衣服は捨てるという感覚でした。

    撮影が始まった頃、ミア・ファローの髪は大変短かったので、ヘア・スタイリストのラモン・ガウは、マルセル・ウェーブのウィッグをミアの頭に装着しました。そして、すべてのシーンはウィッグを装着して撮影されました。ラモンは、エレガントな女性を演出することに長けたイギリス人のヘア・スタイリストで、後に『オリエンタル急行殺人事件』(1974)『ロッキー・ホラー・ショー』(1975)『さすらいの航海』(1976)『ジュリア』(1977)『ナイル殺人事件』(1978)『黄昏』(1981)『地中海殺人事件』(1982)『007/美しき獲物たち』(1985)『007/リビング・デイライツ』(1987)といった作品でも活躍しました。



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