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『エヴァの匂い』2|ジャンヌ・モローとピエール・カルダン

ジャンヌ・モロー
ジャンヌ・モロー
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煙草の煙とジャンヌ・モロー

エヴァ・ルック8 ホワイトコート・ルック
  • ベネチア・ホテル・ダニエリ(サン・ジョルジョ・マッジョーレ島が見える部屋)
  • 白のウールコート。2つのボタンの飾り
  • ブラックレザーグローブ
  • ブラックハイヒールパンプス


エヴァ・ルック9 ナイトライフ・ルック
  • ファー付き刺繍入りコート
  • 黒のワンピース
  • ブラックハイヒールパンプス
  • 白のレザーグローブ




ジャンヌ・モローと言えば煙草の煙と言えるくらいにヘビー・スモーカーの彼女は、60年代において、オードリー・ヘプバーンと双璧をなすスモーキング・アイコンでした。ちなみにオードリーが煙草を吸い始めたのは第二次世界大戦後の15歳の時からでした。女優になってからは20代はGold Flakeを、そして、30代以降は、KENTを一日3箱(60本)吸っていたと言われています。

話をジャンヌに戻しましょう。この作品における彼女の煙草の扱い方は、ファッションにおけるワンポイントの領域にまで達していました。今は失われつつある風景を見ることが出来るのも、映画の醍醐味です。そこには、今ないものが存在し、今あるべきものが全く存在しません。そんな空間の奥行きをどれだけ感じ取ることが出来るかということが、ファッションに関わる人々にとって、最低限求められる素養なのです。

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そして、最後にレザーコートを持ってきた!


エヴァ・ルック10 シースルーパジャマ・ルック
  • 黒のガウン
  • 白のシースルーパジャマ。サテンテープ使用

エヴァ・ルック11 キラキラ・ルック
  • スパンコールを散りばめたロングガウン



ジョセフ・ロージーとジャンヌ・モロー。

エヴァ・ルック12 レザーコート・ルック
  • レザーコート
  • ブラックトークハット
  • ブラックハイヒールパンプス

いつの時代においても、男女のエレガンスが昇華される素材のひとつがレザー(特にカーフレザー)です。レザーの魅力を一言で言うならば、「着るダイヤモンド」。レザーほど、傍目から見て、質感が分かりやすい素材はなく、その分だけ、レザー・アイテムというものは、その人がなぜそれを選択したのかという背景を如実に他人に示してしまう危険なファッション・アイテムなのです。例えば、それをブログやインスタでお披露目したりするということは、その時点で、その人のファッション感度は知れてきます。ファッションとレザーの相関関係。それは、〝秘匿の美徳〟にあるのです。

「レザーは語る」という言葉があるように、レザーとは、それを身につける人のファッション感度を推し量るスカウターの役割を示してくれます。特に、靴、バッグ、アウターにおけるレザー・チョイスは、あなたにとってのレザーフェイスとなるわけなのです。それをわざわざ事細かに他人に知らせることは、スターという職業に従事する人々以外においては、不要なのです。