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『エヴァの匂い』1|ジャンヌ・モローとピエール・カルダン

ジャンヌ・モロー
ジャンヌ・モロー
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ピエール・カルダンが愛した唯一の女。


エヴァ・ルック2 カシミヤコート・ルック
  • シャレード巻きのスカーフ
  • 白のカシミヤのコート。スチール製の2つボタン(飾り)。ステンカラー。
  • 明るめのノースリーブセットアップ
  • 5cmほどのヒールパンプス

会ったとたんに一目惚れよ。またすぐに会いたくなって、もっと服が見たいという口実をつくって行ったのよ。それまでは、シャネルの服を着ていたけれど、お金があればカルダンのコレクションを買い占めるまで通ってたでしょうね。彼に会いたいばかりに!彼がパリで(同性愛者だと)噂されているのは知っていたけれど、気にならなかった。むしろ、その反対よ。そのことで、いちだんと魅力的に感じられたわ。

ジャンヌ・モロー

エヴァの本質が、「心の死んでいる女性」であるならば、ジャンヌ・モローの本質は、「心で生きている女性」です。だから、彼女はエヴァが理解できるのです。ティヴィアンという生粋の嘘つき男が、初対面のエヴァに「女の客はめったにこないんだ」と口説きにかかった時に、無言で、婚約者の写真が飾られているバスルームのドアを開ける所作の格好良さ。男が退散した後に見せる表情の美しさ。この表情に、ジャンヌ・モローの魅力の全てが集約されています。


ジャンヌ・モローを愛したピエール・カルダン。コンプレックスを糧にして大女優への道をひたむきに走る彼女との恋愛が、1960年代に一気に開花します。それはユニセックス・ファッションの革命を起こし、1964年にビートルズが着た、メンズファッション史上初の襟のないジャケットであり、更には、1966年のコスモコール(宇宙服)ルックへと飛躍していくのです。

ファッションの本質は、反逆の一点にあり、伝統ですら反逆精神から始まったという真実。そして、より深いファッションの真髄を突き詰めると、捉えどころのない魔物を見つけてしまうという点において、ファッションとは、「美から程遠い人間に与えられた美の創造」=コンプレックスが美を創造するという単純明快な着地点が見えてくるものなのです。

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「色にたとえると黒と白ね」ジャンヌ・モロー

エヴァ・ルック3 ファーコート・ルック
  • サン・マルコ広場
  • 白かクリーム色のファー付きコート。美しいドレープ感。
  • ブラックハイヒールパンプス
  • 黒のレザーグローブ

ジャンヌ・モローは、自分が出演した映画監督を色にたとえるのが好きでした。フランソワ・トリュフォーが「青か緑」、ミケランジェロ・アントニオーニが「黄」、オーソン・ウェルズは「赤」、ルイス・ブニュエルが「紫」であり、本作の監督ジョセフ・ロージーは「黒と白」とたとえています。

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そして、ジャンヌは最先端パリモードのアイコンとなった。


エヴァ・ルック4 クリスタル・ルック
  • ロングケープ
  • ピンクのクリスタル・セットアップ
  • フォックスサングラス
  • 黒のヒールパンプス


エヴァ・ルック5 アイコニック・ルック
  • アニマルファーの首巻き
  • 片方だけ白手袋
  • シェットランドウールのブラウン・スカートスーツ。ペールカラー。ノーカラーダブルジャケット、サイドボタン