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トム・フォード

【トム フォード】フジェール ダルジャン(ルイーズ・ターナー)

トム・フォード
©TOM FORD
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フジェール ダルジャン

原名:Fougère d’Argent
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:ルイーズ・ターナー
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:日本未発売

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フゼアノートの興隆と凋落と復権の歴史

©TOM FORD

〝シルバー・フゼア〟という意味を持つ「フジェール ダルジャン」は、トム・フォードプライベート ブレンド コレクションから2018年に発売されたのですが、日本未上陸の香りです。「ロストチェリー」を調香したルイーズ・ターナーにより調香されました。

フゼアノートとは、1882年にウビガンの「フジェール ロワイヤル」がクマリンを使用して生み出した香調です。渋いモスと甘いクマリンのコントラストが生み出す爽やかでヒヤッとする香りが特徴です。

しかし、長らく男性にとって王道の香調だったフゼアノートは、1992年の「ロー ドゥ イッセイ」の登場により、マリンノートのような透明感溢れる香りを好むようになり、凋落の一途を辿りました。

そして、21世紀に入り、ニッチ・フレグランスの興隆により、クラシカルな香調に対する人々の関心が蘇ることになり、フゼアは見事に復権を果たすことになるのでした。

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70年代の王道フゼアを、ユニフゼアに進化させた香り

トム・フォードが崇拝する70年代のバート・レイノルズ。

ベルガモットとマンダリン・オレンジにより〝銀の扉〟は開かれます。そして、二酸化炭素で抽出されたジンジャーとフレンチラベンダーがクリアーさを放ちながら、ベースの甘いクマリンと鬩ぎ合うように香り立ちます。

このとんでもなく新鮮でジューシーなジンジャーがこの香りの黒子と言えます。

やがて、まったりとした樹脂の甘さを運んでくれる(アンバーグリスのような香りを放つ)ラブダナムと(パチョリから、土っぽさを取り除いて抽出したスパイシーなジボダン社の)アキガラウッドがシルバー・フゼアノートを完成させます。

クラシカルなフゼアノートの持つ風格とフレッシュさのDNAは決して損ないようにして、私流に、再び一から構築した〝トム・フォードのフゼア〟。それは、詐欺師がドレスアップしてあなたを罠にかけようとしているような申し分のない礼儀作法を兼ね備えたフゼアです。

トム・フォード

まさにトム・フォードのファッション・アイテムのように、デザインの斬新さではなく、クラシカルでありながらモダンであるという絶妙なバランス感覚で生み出された香りです。

それは、21世紀に蘇る(70年代の)バート・レイノルズの香りとも言えます。そんな香りだからこそ、今を生きる女性に、ユニフゼア=ユニセックスフゼアの真価を発揮する香りなのかもしれません。

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香水データ

香水名:フジェール ダルジャン
原名:Fougère d’Argent
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:ルイーズ・ターナー
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:日本未発売


トップノート:ラベンダー、ジンジャー、ベルガモット、マンダリン・オレンジ
ミドルノート:アキガラウッド、ラブダナム
ラストノート:クマリン