そして、エディ・フィッシャーは捨てられた。
クレオパトラ・ルック18 ターバンルック
- シルバーのセベク冠のターバン風ヘッドドレス
- シーザーの金貨の襟飾り
- シルバー×ブラウンの七分袖ガウン(カラシリス)
- ゴールドリング・イヤリング
- パープルのボートネック・ドレス(ピーチドレスとの色違い)
- ゴールドバングル
私はいつも主演女優とは良い関係を保とうと努力する。そして、それはそれだけの話。彼女と感情的に熱中関係になるのは絶対に避けること。それはあなたの力を弱め、ひいては映画自体の力も弱める。
マイケル・ケイン
1962年1月26日に監督のジョーゼフ・L・マンキーウィッツは、プロデューサーのウォルター・ウェンジャーに、「私はたった一人で火山に坐っているようなものですよ」と言って、撮影中に確信したテイラー・バートンの2人の恋愛感情について伝えました。そして、一番最後に、その事実を親友から教えられたエディ・フィッシャーはこう言ったと伝えられています。「最後に知るのはいつだって亭主なんだ」と。
しかし、エディは2月27日のリズ・テイラーの30歳の誕生日パーティのプレゼントとして、ブルガリのエメラルド・スタッズ・ミラーと、1万ドルのダイヤモンド・リングを渡しました。しかし、3月21日に、リズを残してローマを去るのでした。
太陽神の化身のようなクレオパトラ
クレオパトラ・ルック19 太陽神ラー
- 濃紺のスリットドレス
- 水色のシフォンローブ(カラシリス)
- ヘッドドレス
- シーザーの金貨の襟飾り
- ゴールドバングル、ウラエウスの紋様
リチャード・バートンからの最初のブルガリ
クレオパトラ・ルック20 ローマ風ドレス
- 太陽のようなヘッドピース
- シーザーの金貨の襟飾り
- ペールピンクのVネックプリーツドレス
- 上からスパンコールシフォンを羽織る
- ヴェルサーチのようなブローチ
- ゴールドバングルとアームバングル、ウラエウスの紋様
エリザベスの喜びを勝ち取るためには、毎朝、朝食の前に、ダイヤモンドを与えなければなりません。
エディ・フィッシャー(1962年2月5日、崩壊しつつある結婚生活を救おうと、パリ行きの飛行機をチャーターし、リズと共に、ディオール、シャネル、エルメス、カルティエを訪問した)
「カット!カット!カット!」マンキーウィッツ監督の声にも離れないベッド・シーンのリズとバートンを見て、監督は「他人の寝室にこっちが乱入したみたいだ」と退散したほどでした。1962年4月には、もうこの二人の熱愛状態を止めることが出来るものは、何人たりとも存在しない状況でした。
1962年5月に、リチャード・バートンは、リズ・テイラーのためにはじめての宝石を贈ります。それはブルガリのステップカットが施された八角形のエメラルド(7.4カラット)とペアシェイプダイヤモンド(12個の合計5.3カラット)があしらわれたプラチナリングでした。
当時のブルガリは、創立者ソティリオ・ブルガリの二人の息子ジョルジオ(1890-1966)とコンスタンティノ(1889-1973)が生きていた時代であり、ローマの本店(当時まだ支店はなかった)には、頻繁に来店する二人を、ジョルジオの息子のジャンニ(1935-)が、プライベートルームのような空間=〝マネー・ルーム〟でもてなしました。さらにリズの助言により、バートンは1/4の値段の宝石を購入し、妻シビルにプレゼントしたのでした。