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ペンハリガン

【ペンハリガン】エリザベサン ローズ(アリエノール・マスネ)

ペンハリガン
©Penhaligon's
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エリザベサン ローズ

【特別監修】カイエデモードが崇拝するフレグランス・スペシャリスト様

原名:Elisabethan Rose
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:アリエノール・マスネ
発表年:2018年
対象性別:女性
価格:30ml/16,390円、100ml/33,550円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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ふたつの「エリザベサン ローズ」

©Penhaligon’s

かつてペンハリガンから1984年にマイケル・ピクタールにより調香され、発売されていた「エリザベサン ローズ」は、英国の女流作家でありガーデニストであるヴィタ・サックヴィルニ=ウエストが創り上げたイギリス・ケント州のシシングハースト・カースル・ガーデンのローズガーデンをイメージしたフローラル・アルデハイドの名香として、大変人気のあるフレグランスでした。

そんなローズガーデンの香りの進化系として2018年8月に生み出されたのが、2018年版「エリザベサン ローズ」です。雨上がりのローズガーデンに足を踏み入れた時のような、清々しいバラを主体にしたフローラル・ウッディ・ムスクのこの香りは、アリエノール・マスネにより調香されました。

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1984年に生み出されたオリジナル版「エリザベサン ローズ」

ヴィタ・サックヴィル=ウェスト

シシングハースト・カースル・ガーデンのローズガーデン © National Trust Images/Andrew Butler

エリザベサン・タワー


トップノート:ゼラニウム、アルデハイド
ミドルノート:ローズ、カモミール、ヴァイオレット
ラストノート:ムスク、アンバー、サンダルウッド

シシングハースト・カースル・ガーデンを造り、ヴァージニア・ウルフとの恋愛でも有名な女流作家ヴィタ・サックヴィル=ウェスト(1892-1962)が創り上げたイギリス・ケント州のローズガーデンにインスピレーションを得た作品です。

ただただ純粋に、朝摘まれたばかりのイングリッシュローズを、素肌に蘇らせることだけを考えて生み出されたのが、オリジナルの「エリザベサン ローズ」です。

ボトルから解き放たれる軽やかなアルデハイドの春の風に乗って、フレッシュグリーンなゼラニウムが全身を駆け抜けるようにしてこの香りははじまります。

そこにクリーミーなサンダルウッド、ムスク、アンバーが加わり、素肌の上に、イングリッシュローズが移植される円やかに官能的な土壌が生み出されてゆきます。

やがて、パウダリーなヴァイオレットと共に、カモミールティーがそっと振り掛けられた瞬間、透き通るようにフレッシュなホワイトローズが肌の上で咲き誇ります。そこには、スパイシーさもフルーティーさも存在しない、ただ朝露を含んだローズの自然の謳歌を素肌で感じ取ることができます。

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朝露を含んだローズの自然の謳歌

シシングハースト・カースル・ガーデン。右に円形の生け垣「ロンデル」があります。

オリジナルの香りをシャワージェルまで一式で愛用しておられた、カイエデモードが崇拝するフレグランス・スペシャリスト様の〝この香りへの愛の言葉〟をお伝えさせてください。以下、彼女の文章となります。

私がイギリスを訪れた時に街中で、自然と目に入ってきた花はゼラニウムでした。イギリスの方からするととても日常的で身近にある香りなのかも知れないと、その時強く感じたのを今も忘れません。

オリジナルの「エリザベサン ローズ」はペンハリガンのレディースフレグランスの中でも、代表的な香りであり、ゼラニウムがとても印象的なローズの香りです。まさに英国王室御用達のブランドである事を誰もが納得できるほど、英国の空気感を纏った香りだと思います。

気品のある佇まい。重厚さを持たずとも凛とした風格を感じる香り。カイエデモードの言葉を拝借するなら、まさに「朝露を含んだローズの自然の謳歌」の表現がピッタリです。

凛とした空気感〟は、ただ気品を感じさせるだけでなく、英国の曇り空、雨が多い気候、そして城壁やレンガ造りの建物やその周りのイングリッシュガーデンから漂う空気を、アルデハイドを纏うローズで仕立てたのかなとも思えます。

それは「ポール スミス ローズ」にも通ずる部分なのかなと個人的にはおもっています(ちなみにジョー・マローンの「レッドローズ コロン」からはそういった英国的な空気は感じません)。

「エリザベサン ローズ」は、凛として堂々とした風格あるローズの香りでありながら、どこか儚い部分をそこはかとなく感じていました。

王室にあるように「守り続ける文化」からそう感じるのか、紳士の国と呼ばれる所以である「ポーカーフェイスでスマートである事が英国的」な部分が「エリザベサン ローズ」の〝儚さ〟として投影されているのか…一緒に時を過ごせば過ごすほど、対面的に英国を感じさせてくれる香りです。

新しい「エリザベサン ローズ」が出たとき強い違和感(好き嫌いではなく)を感じたほど、私はオリジナル版を愛していました。そして、今も愛しています。

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2018年版は、赤と白がひとつになったテューダー・ローズ


2018年版「エリザベサン ローズ」は、オリジナルとは全く別物の香りであり、イギリスの伝統的な紋章であるテューダー・ローズから着想を得た香りです。

テューダー・ローズとは、1455年から1485年(日本は室町時代)にかけて勃発した、赤バラを家紋とするランカスター家と白バラを家紋とするヨーク家によるイギリスの王位継承をめぐる争い「薔薇戦争」の果てに生まれた紋章でした。

この戦争は、最後のランカスター家の王位継承者であるテューダー家のヘンリーが、テューダー朝初代のイングランド王ヘンリー7世として即位し、ヨーク家のエリザベスと結婚することで収束したのですが、この時、両家のバラの紋章を重ね合わせ生み出された紋章がテューダー・ローズでした。

かつては血と血を流し合った両家が、その紋章を重ね合わせることによりひとつの国を共に築き上げていくという、真の友好と敬意の象徴。それがテューダー・ローズなのです。

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気高く咲いて、美しく散るバラの香り

©Penhaligon’s

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威厳あるクイーンのように、わがままで堂々としていながら、落ち着きがあり繊細。そして、特別なオーラを放つ崇高な美しさと、爽やかさの奥からただよう優美な甘さ。やがて、天国を思わせる明るく柔らかな香りへとうつろい、ラストは力強いぬくもりで、肌をやさしく包みこんでいきます。

公式サイトより、素晴らしい説明文

ふたつがひとつになる瞬間、いままでの確執が、雨により洗い流され、強い絆になる瞬間を、うつりゆくローズの香りに託したこの香りは、気高く素肌の上に咲き誇る赤いスパイシーなローズと、涼しげに孤高の佇まいを見せる白い青々としたピュアローズの不協和音からはじまります。

すぐにグリーンで香ばしいヘーゼルナッツリーフと、クリーミーなアーモンドオイルが、温かくスパイシーなシナモンと共に注ぎ込まれ、壮麗さと温かみが共存する、甘くてジューシーなエレガントなローズに満たされてゆきます。

そこに、レッドリリーが円やかに肌のぬくもりに溶け込み、きらめくハニーローズのオーラを解き放つのです。さらに、プラムとブラックカラントが、ローズに酔わせるワインのような触感と、素肌に滑らかに塗られてゆくベリージャムのような感触を与えています。

やがて、ベチバーとムスク、ウッドの風によろめく気高きバラは美しく静かに散るのです。森林に惜しみなく奪われたバラの花びらは、あなたの心の涙に浮かぶように、切なくも愛らしい甘いフルーティローズの余韻を残してくれるのです。

女王のドレスを思わせるフリル襟をモチーフにした飾りがあしらわれたボトルネックに、封蝋を模した真紅のローズがボトルの中央に艶めくボトルデザインがとても素敵です。

1984年のオリジナル版が、〝女王陛下のローズ〟であるならば、こちらは〝プリンセス・ローズ〟と言えます。

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香水データ

香水名:エリザベサン ローズ
原名:Elisabethan Rose
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:アリエノール・マスネ
発表年:2018年
対象性別:女性
価格:30ml/16,390円、100ml/33,550円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:ヘーゼルナッツリーフ、アーモンド、シナモン、タンジェリン
ミドルノート:レッド・リリー、メイローズ・アブソリュート、ローズオイル、ゼラニウム、プラム、ブラックカラント
ラストノート:ベチバー、ムスク、ウッド