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【ポール スミス】ポール スミス ローズ(アントワーヌ・メゾンデュー)

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ポール スミス ローズ

【特別監修】カイエデモードが崇拝するフレグランス・スペシャリスト様

原名:Paul Smith Rose
種類:オード・パルファム
ブランド:ポール・スミス
調香師:アントワーヌ・メゾンデュー
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:30ml/6,160円、50ml/8,690円

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ポール・スミスは、愛妻によって作られた。

©Paul Smith

ポール・スミスとポーリーン・スミス。

2007年にポール・スミスが発表した「ポール スミス ローズ」は、誕生日プレゼントに、バラが好きな自分のために、三年かけて新種のバラを作りプレゼントしてくれた愛妻に対する感謝の気持ちを込めて生み出された香りです。

この香りの素晴らしさを知るために、まずはポール・スミスという人物について知る必要があります。ポール・スミスは、英国のファッション・デザイナーの中でも〝気さくな人柄〟〝子供のような無邪気さ〟で有名な人であり、セレブ的な生活を好まない人です。

1946年に生まれた彼は、青年期に自転車ロードレース選手を目指すも、全治六ヶ月の怪我により断念し(学校が大嫌いで15歳で退学していた)、ファッションの世界に興味を持つようになりました。

彼のファッション・デザイナーとしての歴史は、1966年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートのテキスタイル講師だったポーリーン・デニアとパブで出会い意気投合したことからはじまったと言っても過言ではありません。

彼は21歳のときから彼女だけを愛し一緒に生活しています。「彼女はファッションについて私が知っていることすべてを教えてくれたので、私の人生で最大の助けになりました」。

そして、6年間のアパレル店員の経験と、「あなたはエネルギーもアイデアもたくさん持ってるのだから、自分の服を作るべきよ」というポーリーンの後押しの一言により、1970年10月9日に、ノッティンガムにセレクト・ショップ(服と雑誌とレコード)をオープンしたのでした。

お店は金曜日と土曜日だけ開店し、有り金をはたき1974年まで夜間学校でテーラリングを学びました。やがて自分たちでデザインした商品も販売するようになりました。

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ポール・スミスの大躍進

僕はいわゆる他人の目を惹くためではなく、着る人が楽しめる服をデザインしている。シンプルでクラシックな型の服に、ちょっとした秘密を加えるんだ。1つだけボタンの色を変えたり、全部奇抜なボタンにしたり、裏地に面白い素材を使ったりね。

ポール・スミス

1976年にはじめてパリで、35人の観客の前でメンズウェアのコレクションを発表する機会に恵まれました(当時はロンドン、ミラノ、ニューヨークのファッションウィークがなかった)。 さらに、1984年には本格的に日本進出も果たしました。

1987年には、ニューヨーク5番街に路面店を構え、ヤッピーと呼ばれた若いエリート層の間でステイタスシンボルになる爆発的ブームを生み出しました。

1967年からポールは、ポーリーンと一緒に住んでおり、33年間結婚しなかったのですが、2000年にナイトの受勲を女王陛下から受けたその日の午後、二人は結婚式を挙げたのでした。

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〝サー・ポール・スミス〟という名の新種のバラ


「ポール スミス ローズ」の誕生のきっかけは、ひとつの大いなる愛からでした。

二人がパートナーになった1966年から数えて、40周年を迎える2006年のポールの誕生日に、ポーリーンは特別なものをプレゼントしたいと考えていました(ポーリーンには元々、二人の子供がいました。ポールはこの二人を大切にするために自分達の間に子供を作りませんでした)。

「お金では手に入らないもの。長い年月をかけて生み出されるもの」そして、シングルマザーだった自分を尊重してくれたことに対する最大限の敬意を伝えるプレゼントは何だろうか?と考えたポーリーンは、ポールが最も愛している植物であるバラの新種を開発し、彼の名をつけてプレゼントすることにしました。

そして、世界的に著名なバラ育種家であり「バラの王様」と呼ばれるピーター・ビールズに依頼したのでした(1981年の「アンナ パブロバ」が代表作)。かくして三年の歳月をかけて栽培された「サー・ポール・スミス」と名づけられた新種のバラが、2006年5月に開催されたチェルシー・フラワー・ショーにおいて、ポーリーンからポールにプレゼントされたのでした。

このプレゼントに感動したポール・スミスは、すぐにアントワーヌ・メゾンデュー(アルベール・カミュの孫)に依頼し、「ポール スミス ローズ」を調香してもらい2007年に発表しました。

自分のために、特別なバラを作ってくれた妻への思い=〝人生で最高の香り〟を、そのままボトルに生きたまま永遠に残したいというポールのポーリーンへの〝愛の結晶〟でした。

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夫から妻へ、永遠の愛を込めて生み出された〝人生で最高の香り〟

©Paul Smith

この香りは、妻から贈られた「サー・ポール・スミス」の香りを、ジボダン社独自のヘッドスペース法であるScentTrek™(セントレック)により、バラの花を収穫、粉砕、蒸留することなく香気成分を分析し、再現されています。

永遠に枯れない愛のバラ〟は、グリーンティーのミストに甘やかされたピンクローズの花びらからはじまります。花びらはまるで、ふんわりと鼻先で旋回するように柔らかなバラの香りを最初から解き放ってくれます。

直球で胸を打ち抜くようなフレッシュなバラの花束の香りがそこにはあります。ヴァイオレットが加わり、パウダリーな甘さが、ムスクに掻き混ぜられ、バラにフェミニンな浮遊感を与えてゆきます。

そして、マグノリアとターキッシュローズが、朝露が太陽の光に溶かされ花びらの香りに導かれるように、至福のローズガーデンを生み出してくれるのです。それはまるで、受け取ったピンクのバラの花束を、宙に投げた瞬間、ローズガーデンに変わっていくようです。

バラの持つ官能性を排除し、清潔感と生花の甘さと心にスッと染み入るティーの要素を同居させた〝敢えてひねりを加えていない、容姿端麗なピンクローズの香り〟です。

本格的ではなくても、十分に幸せを感じることが出来る、マクドナルドやケンタッキー・フライドチキン、ミスタードーナッツ、そんな気取りのない素敵なファストフードの世界観を、バラの香水に反映させた、とても日常的な愛の心を感じることが出来る〝ファストローズ・フレグランス〟です。

ボトルデザインは、プロダクト・デザイナーのアラン・アブードによるものです。

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ポール スミス ローズが教えてくれた「香水の素晴らしさとは」

ポール・スミスとポーリーン・スミス、1991年。

この香りの素晴らしさについてカイエデモードが崇拝するフレグランス・スペシャリスト様によるお言葉を最後にお伝えさせてください。以下、彼女のお言葉となります。

「〝愛する奥様のためにバラを作り、そのバラから香水を作った〟というものがたりに感動し、今も愛用しているの」と言って、この香りを愛し続けている友人がいます。私自身は、ひとつひとつの香りについて、正確なものがたりをお伝えするように心がけているのですが、「香水の素晴らしさとは、自分なりのものがたりに変えて愛する」ことが許される部分にあるとも思っています。

正確さよりも、自由な感性で香りを愛してゆきたい。だから、その友人が愛する「ポール スミス ローズ」のものがたりについて訂正する必要を決して感じません。

私は香水に『〇〇だから良い』『〇〇だから悪い』という概念を持ちたくないと常々思っています。そして香水とは、品評するものではないと思っています。もちろん〝ベストセラー〟などデータを数値化し出てくる言葉はあると思いますが、それは〝一般論〟〝参考〟程度に思っています。

そう考えるきっかけとなったのが、私の前職であるブルーベルでトレーニングを受けていた時に出会い、衝撃を受けたこの香りなのです。その衝撃とは、香水に込められた想いや生まれた背景に触れた時、なんて素晴らしいんだと未だにその感覚が忘れられないほどの感動を覚えたことです。

私はこの香りは、香料ではなく、心で生み出した、愛のヴェールで包んでくれるような香りだと思います。「ローズは高級だから素晴らしいのではなく、愛する人の心を掴まえるから素晴らしいもの」というポール・スミスらしい気さくな「優しさ」「安らぎ」を感じました。

もちろん奥様のポーリーンさんとポール・スミス氏の2人の愛の中から生まれた香りではありますが、この香りを纏う人みんなに、その明るくて優しい愛の恩恵を受けられるそんな全てを包み込んでくれる=愛のヴェールのような香りだと思っています。

私のフレグランス・アドバイザーとしての仕事の姿勢に関しても、高い香料を使用して生み出すから香水は素晴らしい訳ではない。香料だけで〇〇だと決めつけたり、合成香料だから〇〇だと思い込んでしまうのではなく、その香りが持つ背景や込められた意味をもっともっと大切にしたいと心に誓うきっかけになった香りです。

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香水データ

香水名:ポール スミス ローズ
原名:Paul Smith Rose
種類:オード・パルファム
ブランド:ポール・スミス
調香師:アントワーヌ・メゾンデュー
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:30ml/6,160円、50ml/8,690円


トップノート:ローズ、グリーンティー、ヴァイオレット
ミドルノート:ターキッシュローズ、マグノリア
ラストノート:ムスク、シダー

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