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セルジュ・ルタンス

【セルジュ ルタンス】ダンドゥレ(乳歯)(クリストファー・シェルドレイク)

セルジュ・ルタンス
©Serge Lutens
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ダンドゥレ(乳歯)

原名:Dent de Lait
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2017年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/19,800円、100ml/30,140円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス

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あなたの首筋にかぶりつきたくなる香り

©Serge Lutens

[乳歯]

腕時計は、長針と短針で時間の流れを表す。数週間、もてあそばれたぐらぐらの乳歯は抜け落ち、舌に残るのはわずかな幼少期への倦怠感。
今、若い狼はミルクよりも血を求める。ずっと愛した無垢なる私の一部、決して忘れない。

公式ホームページより

セルジュ・ルタンスの「コレクションノワール」より、2017年に発売されたアルデハイド・メタリックな香りです。クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。

人間の一生の中で、〝魔法のような瞬間〟とも呼ばれる最も幸せだった季節=乳歯が抜ける頃(幼少期)にルタンスが思い巡らせた香りです。「そうだ!私のあの瞬間が、子供時代の終わりの始まりだったんだ!そして、私はミルクよりも血を求めるようになったのだ!」。

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吸血鬼のための血の香り


どうやら、この香りは、ベラ・ルゴシに捧げられた香りのようだ。

シャープなフルーティーさからはじまり、すぐにアルデハイドに包まれたヘリオトロピンが生み出すメタリック・ノート(金属の香り)が香り全体を支配します。そして、ゆっくりとゆっくりと催眠術のようにビターなアーモンドが薄れるメタリックの上に浸透していくのです。

乳歯という名の不思議さが連想させるような、デンタル・クリニックの香りとも形容できるのですが、実際のところ、この香りが目指したのは、香りという娯楽産業の中に、ホラーという要素を付け加えてみようという試みだったのかもしれません。

つまりは、真実は吸血鬼のための血の香りなのですが、吸血鬼とは、つまり、ミルクを求めて母親を求める乳児のような純粋さと本能を持つ存在です。この香りはそんな両極端な同質性をテーマにした香りなのです。だからこそ、「血とミルク」なのです。嫌悪が愛情に変わる香りです。

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香水データ

香水名:ダンドゥレ(乳歯)
原名:Dent de Lait
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2017年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/19,800円、100ml/30,140円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス


シングルノート:アルデハイド、ココナッツミルク、メタリック・ノート、インセンス、ヘリオトロープ、アーモンド