ヨーロピアン・ビューティー VS アジアン・ビューティー
フイ・フェイ・ルック1 ロング・チーパオ
- チーパオ(チャイナドレス)、スリーブが振袖のようなロングドレス、襟は立て襟ではない
- 中国風イヤリング
本作におけるアンナ・メイ・ウォンの衣裳は、中国の上流階級の伝統的なファッションです。この衣裳を担当したのは、トラヴィス・バントンではなく、彼のアシスタントをしていたイーディス・ヘッドによるものでした。このアンナの役柄は、マレーネ・ディートリッヒ扮する上海リリーのようにミステリアスであり、独立心の高い女性の役柄です。
そして、そこに飾り物ではない東洋人女性の姿があったからこそ、上海リリーの役柄にも奥行きが生まれたのでした。
マレーネとアンナは、元々友人でした。
フイ・フェイ・ルック2 光沢のあるチーパオ
- 光沢のあるチャイナドレス、ロングスリーブ
アメリカ帰りの中国娘を演じるアンナ・メイ・ウォンと母は仲良しになった。撮影の合間に、二人は煙草をふかし、ストローで冷たいコーヒーを飲みながらおしゃべりをしていた。自分たちが出るシーンのリハーサルなどはしなかった、母は自分の相手役の主演男優クライヴ・ブルック(1887-1974)よりもミス・ウォンの方がずっと好きだった。ブルックというのは、いつかトラヴィスが言った通り、写真うつりのいい顎をしているのとイギリス人ということ以外には、ほとんど取り得のない俳優だったのだ。
「ディートリッヒ」マリア・ライヴァ(マレーネの娘)
1930年に、ドイツにて、レニ・リーフェンシュタールとマレーネ・ディートリッヒと共に。
1933年、ナチスのドイツ支配が始まると、二人のドイツ人は全く反対の方向を歩いたのでした。レニは、アドルフ・ヒトラーに近づき、マレーネは1937年に、ヒトラーの全権大使ヨアヒム・フォン・リッベントロップにより帰国を即されるが、断り、1939年にアメリカ国籍を取り、1943年からハリウッドスターとしてただ一人、連合軍に対する最前線での慰問活動に励むのでした。