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ペンハリガン

【ペンハリガン】アルウラ(ファニー・バル)

ペンハリガン
©Penhaligon's
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アルウラ

原名:AIUla
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:ファニー・バル
発表年:2024年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/41,250円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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インセンスとスパイシープラムが生み出す、砂漠のオアシスの香り

©Penhaligon’s

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アルウラは、サウジアラビアの古代城壁都市であり、お香のメッカとして知られています。そのため私はこの香りを、それを反映した香りにしたいと思いました。まず香りの中心にお香を置き、その周りに果実やスパイスなどを彫刻してゆきました。

私がアルウラという地に感動を覚えたのは、ここでは時間が止まっており、いにしえの人類の偉大さを証明するように、壮大な歴史的建造物が数多くあることです。かつて香料貿易の重要な拠点であったため、市場で売られる多種多様なスパイスや香りも魅力的でした。

ファニー・バル

2014年にペンハリガンから(19世紀末の)ロンドンと植民地とを結ぶ大英帝国の貿易ルートから想起された「トレードルート コレクション」として、「ロタール」「エンプレッサ」「ラヴァンティウム」「エッサウィラ」といった4種類(うち1種類は限定品)の香りが発表されました(日本では2015年2月25日から全国発売されました)。

そして、2015年に5作目の「ハルフェティ」が発売され、翌2016年に〝エジプト〟をテーマにした二つの香り「Alizarin」と「オードドニル」が発売されました。さらにその流れを汲んで、2017年に発売されたのが、8~9作品目となる〝インド〟をテーマにした「パイタニ」と「Agarbathi(アガルバティ)」でした。

2018年に発表された「カイロ」は、コレクションの記念すべき第10弾の香りでした。さらに2019年に発売された第11弾の香り「バビロン」が発売され、2021年に第12弾の香り「コンスタンチノープル」2022年に第13弾の香り「レガシー オブ ペトラ」が発売されました。

そして、2024年4月3日に第14弾の香り「アルウラ」が発売されました。ファニー・バルにより調香されました。〝静寂と安らぎを求める人々のための新しい香り〟というテーマで生み出されたこの香りは、砂から生まれ、空に染まったオアシスを、私たちの素肌の上に誕生させる香りです。

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『サウジアラビアの真珠』と呼ばれるアルウラとは?

マダイン・サーレハのジャバル・アル・アフマル遺跡

マダイン・サーレハのカスル・アル・ファリード

エレファントロック

世界最大の鏡張りの建物、マラヤコンサートホール

10軒ある超高級リゾートのうちのひとつバイヤンツリー。47棟のプール付きヴィラから成る。

バイヤンツリー アルウラは、2019年にオープンしました。

「アルウラ」は、サウジアラビアのマディーナ州にある古代アラビアのオアシスの古代城壁都市です。インドとペルシャ湾をレバントやヨーロッパに結ぶ歴史的な〝香料の道〟の要所であり、紀元106年にローマ帝国の統治下に入ってからも、ローマ帝国最南端の都市として栄えました。

紀元前2世紀前半頃にペトラ(現在のヨルダン西部)を中心に栄えた、アラブ史上初めて騎馬部隊を編成した戦闘民族であり、遊牧民としてキャラバン貿易(香料を中心とした貿易)と盗賊稼業で莫大な富を生み出したナバテア人の王国・ナバテア王国(サウジアラビア北部からヨルダンを含むシリア南部までを支配下に置いていた)のオアシス都市として大繁栄しました。

そのためかの地には、巨岩をくり貫いた荘厳たる遺跡等、貴重な歴史的建造物が多く存在し、ヘグラ(マダイン・サーレハ)は、2008年にサウジアラビア初のユネスコ世界遺産に認定されました。

この香りは、先に発売された〝ペトラの遺産〟の流れを汲む、悠久のロマンに満ちた〝サウジアラビアの砂漠の真珠〟に身を委ねる、乾いた心にオアシスを生み出していく〝復活の水〟なのです。

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静寂と安らぎを求める人々のための新しいインセンスの香り

©Penhaligon’s

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お香は、歴史や宗教において昔から重要な役割を果たしてきました。その煙は神々への道を開き、力と豊かさの象徴だった。そのような理由から、お香は長年世界中で取引されてきました。

お香は、ほぼすべての人間のDNAに組み込まれている香りです。また、香水の核心でもあります。お香には、日常の習慣から抜け出す神秘的な何かがあるのです。

ファニー・バル

戦闘民族のオアシス都市として興隆し、東と西を繋ぐ〝香料の道〟の最重要都市のひとつとして、香りの文化の礎ともなった、蜃気楼のように、砂漠の中に突然現れる、城壁に囲まれたオアシスを素肌の上に築き上げていくような、神秘的な香りです。

地下の湧き水により土壌が豊かなアルウラには、230万本のナツメ​​ヤシ、イチジク、オリーブ、20万本以上の柑橘類の木が生育し、オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどが生産されています。

そんな砂漠のオアシスの生命力を感じさせるこの香りは、ブラックペッパーとターメリックが溶け込んだ芳醇なプラムリキュールの香りからはじまります。すぐに熱した岩石のようなカルダモンが加わり、豊かなスパイスの輝きに満たされ、素肌の上でゆっくりとプラムはドライフルーツの艶やかさを引き伸ばしてゆきます。

豊かでフルーティーな甘い香りを放つプラムは、肥沃な土地が緑豊かな庭園として、入植者や旅行者に豊かな活気を与える砂漠のオアシスを暗示しています。プラムの香りはその果実または花から得られます。果実はよりフルーティーな香りを放ち、花はよりフローラルな香りを放ちます。香りが落ち着くと、プラムの甘さがより濃厚なものに熟してゆきます。

そしてうっとりするようなオリバナム(乳香)が到来します。砂丘の煌めきのようなサフランと、闇夜を運ぶようなタバコ、豊潤な土壌を思わせる幻想的なパチョリが注ぎ込まれ、スパイシーなプラムリキュールは、光り輝くオアシスの如く、肌を透かして心の中にまで泡立たせるように穏やかに染み込んでゆきます。

だんだんと存在感を増すスモーキーなバニラが、スパイシーでクリーミーなオリバナムとジューシーなプラムの余韻で、華やかでエレガントでありながらも、抑制されたフルーティな甘さで満たしてくれます。

この香りのオリバナムオイルは、エチオピアとソマリアのボスウェリア・カルテリの木の幹から採取された樹脂から水蒸気蒸留法で抽出されています。オリバナムレジノイドMDは、同じ樹脂から抽出された後、製品を精製するために再度蒸留されます。そして2回目の蒸留により、温かみのあるスパイシーでバルサミックなファセットが引き出されます。
金ラベルのボトルには、アルウラのオアシスにそびえ立つヤシの木が描かれ、黒と金のジャカードリボンには、紀元前1世紀に遡る世界遺産のヘグラ古代遺跡周辺で発見されたナバテア人の岩の彫刻からインスピレーションを得た模様が描かれています。一方、くすんだピンクのジュースは、夜明けの岩の色合いを模倣しています。
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香水データ

香水名:アルウラ
原名:AIUla
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:ファニー・バル
発表年:2024年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/41,250円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:ブラックペッパー、マダガスカル産プラム、ターメリックルート
ミドルノート:カルダモンオイル、バニラビーンズ、サフラン
ラストノート:タバコアコード、パチョリ、オリバナムオイル