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ケンゾー

【ケンゾー】ケンゾー ワールド(フランシス・クルジャン)

ケンゾー
©KENZO PARFUMS
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香水データ

香水名:ケンゾー ワールド Kenzo World オード・パルファム
ブランド:ケンゾー KENZO
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:30ml/8,910円、50ml/13,090円
販売代理店ホームページ:アットコスメ


トップノート:ラズベリー
ミドルノート:ピオニー、フローラル・ノーツ、エジプト産ジャスミン
ラストノート:アンブロクサン

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香水広告フォト&動画

©KENZO PARFUMS

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もはや高田賢三の存在しないケンゾーワールド

2017年9月1日に日本発売されたケンゾーのフレグランス「ケンゾー ワールド」。2011年よりケンゾーのクリエイティブ・ディレクターを務めるキャロル・リムウンベルト・レオンオープニング・セレモニーの創設者の二人)が初めて手がけた香水です。

調香師は、ケンゾーのオーデフルール シリーズも調香したフランシス・クルジャンです。

ケンゾーは2011年以降すっかり、インスタグラマーやファッショニスタ気取りの人々のキャッチーアイテムを生み出すだけの存在に成り果てています。そして、そんなテンションのまま突っ走った先に生み出されたフレグランスがこの<ケンゾー・ワールド>なのです。高田賢三はこのフレグランスを見て何を思うのでしょうか?ケンゾーというよりも、オープニング・セレモニーのフレグランスといった趣のフレグランスです。

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スパイク・ジョーンズのぶっ飛んだ世界観!

3分48秒に渡る長編のキャンペーン・ビデオが話題を呼んでいます。おおよそフレグランスのCMとは思えないぶっ飛んだ内容です。監督したのは、全米を熱狂とブーイングの賛否両論の渦に巻き込んだ「ジャッカス」の総監督を務め、映画作品においても、『マルコヴィッチの穴』(1999)や『her/世界でひとつの彼女』(2013)を生み出しているスパイク・ジョーンズです。この人を起用したことにより、ケンゾーというブランドが、このフレグランスを通して、意図的に〝ぶっ飛びラグジュアリー〟路線を突き進もうとしている意思表明のように見えます。

出演女優は、アンディ・マクダウェル(自身も『ヴォーグ』等で活躍したファッション・モデルであり、『セックスと嘘とビデオテープ』等の主演女優)の娘マーガレット・クォーリー(ロンドン王立演劇学校出身の本格派)。そんな彼女がケンゾーのグリーンドレスを纏い、悪霊にとりつかれたかのように踊り狂います。ケンゾーのニューアイコンともいえる「アイ(目)」モチーフを全面に打ち出したボトル・デザイン。そのブラックのキャップは、ケンゾーのアイコン・バッグである“Kalifornia”をモチーフにしています。

ジューシーなラズベリーからはじまり、ピオニーとジャスミンのフローラルブーケが登場し、クルジャンが、「キーノートであり、それはレオナルド・ダ・ヴィンチのスフマート(深み、ボリュームや形状の認識を造り出すため、色彩の透明な層を上塗りする絵画の技法)のようである」と豪語するアンブロクサンが官能性で香り全体を包み込んでいきます。

そんな香りのイメージは、CMの内容そのままに、爆発するブーケ、甘さの洪水!です。つまりは、男性には決して身に纏えない女性だけの特権フレグランス=ぶっ飛びフレグランスなのです。