究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
カイエデモード香水図鑑を応援する|2025年5月30日~6月1日終日

2025年夏に9年目を迎えるカイエデモード香水図鑑。このたび聖地調査が完了し、5月より東京・横浜・名古屋・大阪・京都・神戸の約100か所の『香水超聖地ガイド』の更新を行っております(6月中に完成予定)。さらに、4月末より、これからの日本の香水業界を動かしていく25人のキーパーソンのインタビュー記事『フレグランス・アイコン・インタビューズ』を公開させて頂いております。

この大いなる活動にあたり、2025年5月30日~6月1日終日にあたりご寄付を募らせて頂きます(エックスのDMが半日不調であったため1日延期させて頂きます)

詳細ページへ

【ゲラン】アビルージュ スポーツ(ジャン=ポール・ゲラン)

ゲラン
ゲラン
この記事は約3分で読めます。

アビルージュ スポーツ

原名:Habit Rouge Sport
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:ジャン=ポール・ゲラン
発表年:2009年
対象性別:男性
価格:不明

スポンサーリンク

ゲランが生み出した3つのスポーツのうちのひとつ


1965年にゲランの四代目調香師ジャン=ポール・ゲランにより調香された「アビルージュ」は、それまでは女性のためにだけ存在していたオリエンタルという「香りの門」の扉を、男性のためにこじ開けた香りでした(バニラは60年代において、男性のための香りには使用されなかった)。

この史上初のオリエンタル系メンズ・フレグランスの現代版として、2009年に「アビルージュ スポーツ」は誕生しました(恐らくジャン=ポールは調香には関わっていないでしょう)。

それは1987年の「ボススポーツ」を皮切りに、1994年に「ポロスポーツ」で爆発的な売れ行きを示した、メンズフレグランスのスポーツ路線の流れを汲む作品でした。

ゲランにおいてスポーツと名のつくフレグランスは、2006年の「ベチバースポーツ」と本作と、そして、2017年の「ロム イデアル スポーツ」の三作品のみ存在します。

ビターオレンジが明るく苦味を放ちながら輝く中、バンブーのウッディな香りが放たれるのがこの「スポーツ」の特徴です。すぐにフルーティーな側面を併せ持つピンクペッパーがジャスミンとローズによりみずみずしさを加えていきます。

そして、ドライダウンにおいて、ゲルリナーデ(ベルガモット、バニラ、パチョリ、トンカビーン)がレザーの煙の乗りながら、ジャスミンの残り香と見事に絡み合います。スポーツが連想させる爽快感よりも、フレッシュな柔らかさで包み込んでくれる香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「評論家はゲランのこうした(わざわざスポーツを加えるという)情け容赦もないセンスのなさを、むしろ恐れる。スポーツと本家アビルージュの関係は、「ベチバー プール エル」と元祖「ベチバー」の関係に等しい」

「おなじみの男性的なアコードが、50%の透明度でシトラスフローラルのベースに溶け込んでいく感じとでもいおうか。本家よりは軽薄だが、構成は驚くほど心地よくフレッシュでモダン。十分に本家の代用品にはなる」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:アビルージュスポーツ
原名:Habit Rouge Sport
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:ジャン=ポール・ゲラン
発表年:2009年
対象性別:男性
価格:不明


トップノート:ビターオレンジ、ライム、ピンクペッパー
ミドルノート:ローズ、バンブー、ジャスミン、パチョリ
ラストノート:バニラ、レザー、ウッディノート、レザー