オーデフルール セドラ
原名:Eau de Fleurs de Cédrat
種類:オーデコロン
ブランド:ゲラン
調香師:ジャック・ゲラン
発表年:1920年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/14,850円
公式ホームページ:ゲラン
〝23分間の奇跡〟の香り
日本人がようやく香害(スメハラ)という言葉から開放されつつある現在、こういったオーデコロンとの向き合い方もより洗練されたものになっていくことでしょう。
東京のシャングリ・ラ ホテルのシャワールームの隣に置いていて欲しいような、シャワーの後に一振りのための香り。残らないことが素晴らしいという〝逆説の香りの美学〟。ディナーに出かける前に身支度を整えるためのシャワーの後に相応しい〝残らない香り〟。
調香師が休暇を過ごしたリビエラの風景からインスピレーションを得たというこの香りのコンセプトは、フレンチ・リビエラの高級ホテルでディナーに出かける前の一振りのために生み出されたような香りです。〝最も贅沢なものは、すぐに消えていくものの中にある〟というテーマで、三代目調香師ジャック・ゲランが作り出したゲランの〝第三のコロン〟です。
薔薇のようにとげの多い枝に実るシトロン。このコロンの名が、セドラということからも分かるように、通常、フランスではシトロン=レモンを指すため、この香りがレモンではないということを示すためにセドラ=シトロン(またの名を〝太陽の果実〟)の名をつけています。
すっきりと気分爽快なセドラ(シトロン)が、レモンとライムとバーベナのアクセントを付け加えながら、ベルガモットと衝突し、ひんやりと冷たく身体の周りで踊るように香り立ち、すぐに飛び去っていきます。
より分かりやすく言うと、大きなセドラを目の前で半分にカットし、顔の前でぎゅっと絞ったような香りです。アクア アレゴリア シリーズとは一線を画する〝23分間の奇跡〟の香り。
ジャン=クロード・エレナが「ルール ブルー」とのレイヤードを推奨すると公言しているように、ゲランの名香のトップノートを引き立てる(もしくは嫌悪感を感じるときの〝処方箋〟の役割を果たす)〝ゲランの万能薬〟です。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「この香水はとてもいい香りで、新鮮で、簡潔。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。
オーデフルール セドラ 100周年記念ボトル
2020年9月1日から、オーデフルール セドラの誕生100周年を記念して、パラジウムによって華麗な装飾が施された記念ボトルが2つのサイズで発売されています。
ひとつは全世界で限定29個というラグジュアリーな1Lサイズのスペシャルボトルです。このボトルには、手作業でパラジウムの箔が施されたリビエラに植生するコバンソウ、ケシの実、ヤグルマギクといった植物が装飾されています。その価格はなんと税抜きで140万円という高価なものです。
一方、日本限定販売の125mLサイズのものは税抜きで75,000円します。
香水データ
香水名:オーデフルール セドラ
原名:Eau de Fleurs de Cédrat
種類:オーデコロン
ブランド:ゲラン
調香師:ジャック・ゲラン
発表年:1920年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/14,850円
公式ホームページ:ゲラン
シングルノート:ベルガモット、シダー、シトロン、レモン、ライム、バーベナ