【メゾンフランシスクルジャン】ウードサテンムード（フランシス・クルジャン）

ウードサテンムード

原名：Oud Satin Mood
種類：オード・パルファム
ブランド：メゾン・フランシス・クルジャン
調香師：フランシス・クルジャン
発表年：2015年
対象性別：ユニセックス
価格：70ml／36,750円

ウード帝国の百獣の王クルジャン
香水データ

ウード帝国の百獣の王クルジャン

©Maison Francis Kurkdjian

「ウードサテンムード」は、メゾン・フランシス・クルジャンから発売され、好評を博している5種類のウードの香りのひとつです（2015年に発売された「最後のウード」）。ただし、それぞれの香りが、「地獄めぐり」と言えるくらいに個性的なため日本では、「ウード」のみ発売されています。

サテンのようなウード。それは、流れるサテンの布地が、光に包まれ眩く光り、その中に包み込まれ、思考停止していく瞬間をウードに投影した香りです。フランシス・クルジャンにより調香されました。

天然のウードを使用して香りを創造するときに、二つの結果を覚悟しなければなりません。ひとつはウード帝国に服従し、ウード愛好家に愛される香りを作ることになるか、もうひとつは、ウード帝国を征服し、香水愛好家に愛される香りを作るかのどちらかです。

この香りは、後者の道を突き進んだ、きわめて珍しいウード帝国征服の香りです。

まず最初に、甘酸っぱいフルーティ・ローズ（ブルガリア産とトルコ産のローズをブレンドしたもの）と共に、シナモンを従えたウードがやって来ます。それはまるで光沢に包まれたサテンのように鮮やかに刺々しい外見とは裏腹に、肌から滑り落ちていくような感覚を与えてくれます。捉えることのできない神秘的なローズ×ウードです。

やがて、ヴァイオレットがウードに神通力を与えるようにパウダリーで包み込むと同時に、メタリックな側面を見せ、バニラとベンゾインによりジャミーな甘さを手にしたフルーティローズと見事なコントラストを示します。

時が経つにつれバニラは減退します。まるでサテンに身を委ねているように、心地よいが捉えどころのないミステリアスなスモーキーウードを堪能しながら、ゆっくりと、実にゆっくりとドライダウンに身を任せることになります。

クルジャンが飼い慣らした獣たちの存在を確かめていく喜びに満ちた、天然のウードの魅力が、言葉の領域を遥かに超えているところにあることを教えてくれる香りです。