エディター・プロフィール:圭子・スカイウォーカー
生年月日不明。性別不明。国籍日本。見た目は30代前半、身長170cmくらい。藤圭子にすごく似ている。ラグジュアリー・ファッションに対する情報の幅の広さから、恐らく現役の関係者と推測される。本人とのやり取りはメールと電話と二度っきりの会見のみ。口癖「ファッション誌はあてにならないので読まないわ」。大好きなものは「ダイアン・アーバスの写真とニーナ・シモン」、最も嫌いなものは、「SNSに夢中な女子と、プチプラ自慢する人たち」とのこと。(長谷紅記) |
5.サンローラン
前シーズン記事 2018年春夏おすすめラグジュアリーバッグPART14<サンローラン>
サンローランvsセリーヌの戦いの火ぶたが切られようとしている。もしかしたら、今こそサンローランはロックテイストを捨てる時かもしれないわ。 |
エディ・スリマンのサンローラン黄金期(2012-2016)に、日本中でサンローランの直営店がどっと増えたの。そして、サンローランの販売員たちは、他のどのブランドよりもモード感溢れる制服に身を包み、日本全国の百貨店で爆発的な売り上げを上げていった。特に、2015年とは、サンローランにとって、この世の春の一年だったの。2015年の〝イヤー・オブ・サンローラン〟のハイライトが、東京・表参道で、世界最大規模となる売場面積1000平米を誇り、3フロアで構成される日本初の旗艦店が12月にオープンしたことだったの。
そして、ブランドとして販売拠点が拡大し、これからどんどん売ってやろうと意気込んでいた矢先の、2016年4月にエディ・スリマンが突然サンローランを去り、日本各地でサンローランを販売していた精鋭部隊は、次の戦場(あるものはセリーヌ、あるものはルイ・ヴィトン・・・)へと旅立っていったの。
2016年9月27日に開催された、アンソニー・ヴァカレロ新クリエイティブ・ディレクターによるファーストコレクション以後のサンローランは、エディの生み出したロックテイストを捨てきれずに中途半端に引きずりながら、現代に至っているの。グッチの大躍進の理由のひとつに徹底されたイメージ戦略があるんだけど、そのために一番最初にしたことは、ブランド・イメージを徹底するために、店舗イメージを一新したことなの。
これからのサンローランに最も必要なこと。それは、デザイナーのクリエイション以前の問題として、エディ時代の店舗イメージを一新しなければならないのよ!そういう意味においては、2019年は、サンローランにとって、セリーヌ・バイ・エディ・スリマンとのイメージ戦争になるはず。
ケイト・クロコダイル 279,720円 ★★★★★
新生サンローランを象徴するバッグ「ケイト」。シルバー・タッセルよりも、ゴールド・タッセルの方が、グラマラスで、往年のイヴ・サンローランらしくていいわ。そこにクロコの型押しが加われば文句なしね。
しかし、ここで一言。なぜブランド名をサンローランから、イヴ・サンローランに戻さないのかしら?
有名なYSLのロゴ(=カサンドラロゴ)は、1961年にアドルフ・カッサンドルによりデザインされたものなの。エディ・スリマンが、YSLロゴの使用を廃止し、アンソニー・ヴァカレロが復活させたという印象があるんだけど、それは事実ではないの。 |
シュルピス・チェーンバッグ 394,200円 ★★★★★
イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュのブティックのあるサン・シュルピス広場からその名を取ったチェーンバッグ「シュルピス」。ブラックカーフレザーに、ゴールドメタル・スタッズが、これまたゴールドのYSLロゴを取り囲むように配され、かなりグラマラスな自分自身を演出してくれるバッグよ。これぞイヴ・サンローランね!隠れた一品バッグ。
ヴィキ 286,200円 ★★★★☆
サンローラン2018-2019年秋冬コレクションのランウェイでデビューした「ヴィキ」。今どのブランドを見てもキルティング・レザーバッグばかりなんだけど、「ヴィキ」のラムレザーの光沢とそのサイズ感、さらに大ぶりなYSLロゴの配置は絶妙よ。