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ファッション・モデル

『アメリカン・ジゴロ』Vol.7|ローレン・ハットンとリチャード・アヴェドン

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「さぁ!もっと飛び跳ねるのよ!」アヴェドン

私はアヴェドンのお気に入りのモデルになりました。アヴェドンと過ごすのは、子供と遊ぶようなものでした。ヴォーグには、200足もの靴をのせた大きなテーブルや、宝石をぎっちりと並べたテーブルがありまして、私は彼と一緒にテーブルのあいだをぶらついては、いろいろな靴を試したり、宝石を片っ端からつけたりしました。

ローレン・ハットン

ローレン・ハットン(1943-)のファッション・モデルとしてのキャリアは、1964年にニューヨークのクリスチャン・ディオールのブティックで、週給50ドルでハウス・モデルとして雇用されることから始まりました。

一日中ショールームに座っていて、バイヤーが訪ねてきたら、言われる通りの洋服を着てみせるの。退屈で死にそうだったわ。でも、報酬が保証されている仕事だったから。

ローレン・ハットン

そして、ほとんどのモデル事務所から門前払いされるも、モデル・エージェントの最王手フォードだけが彼女を採用してくれたのでした。その条件は鼻を矯正し、歯並びを直すことだった。

22歳で本格的にファッションモデルの道を歩み始めた彼女は、7ヶ月目にヴォーグで、服の試着モデルを務めることになりました。そして、天井まですべてが中国漆塗りの真っ赤な部屋にダイアナ・ヴリーランド(1903-1989、1963年から71年までのヴォーグの編集長)がいたのでした。

試着モデルにうんざりして、サボっていたローレンを見て、ダイアナは「あなたには存在感があるわ!」と急遽雑誌モデルとして抜擢したのでした。そして、翌日にリチャード・アヴェドンに引き合わされ、今では伝説となった飛び跳ねている写真が撮影されたのでした(なんと以前、ローレンはアヴェドンに3回会って、撮影をすべて断わられていた経験があった)。

アヴェドンは怪訝そうに「何ができるんだい?」と尋ねた。「まあ、木登りはできるし、森の中を走ったり、ジャンプしたり出来るわよ」とローレンは答えた。と同時にアヴェドンは「ジャンプ!」と命令し、まったく新しいスタイルのファッション・フォトが誕生しました。

アーヴィング・ペン、1966年。

リチャード・アヴェドン、1966年ヴォーグ8月号。

リチャード・アヴェドン、1966年ヴォーグ8月号。

リチャード・アヴェドン、1968年ヴォーグ6月号。

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ジーンズをモードにした!

カジュアルエレガントな美しいジーンズ・スタイル。

レザーがチェーンのように編みこまれた細身のベルト。

ミシェル・スタットンのセンスの良さを最も伝えてくれているのが、このスーパークールなジーンズ・ルックです。まるでジーンズがドレスアップしたかのような、エレガントなムードを生み出しています。

上品なブラウスとブルージーンズのアンバランスな組み合わせが、細い一本のベルトにより、見事にモードへと昇華しているのです。

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ミシェル・スタットンのファッション3

ブルージーンズ
  • パープルのブラウス。半袖、襟なし。上品なデコルテライン
  • 茶色の細ベルト
  • ブルージーンズ
  • オープントゥ・フラットシューズ、ヌードカラー
  • ボストン型のサングラス
  • ボッテガ・ヴェネタのバーガンディカラーのクラッチ
  • ロザリオネックレス

ここでもボッテガ・ヴェネタのクラッチを持っています。

決して胸元を強調しすぎている訳ではない嫌味のないVライン。

1980年代前半、クラシックボブが流行しました。

ダイヤモンドが散りばめられたロザリオネックレス

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ミシェル・スタットンのファッション4

ブラック・イブニングドレス
  • ブラック・イブニングドレス、フロント・スリット
  • ブルガリのネックレス
  • シルバー・サンダル

胸元には100万ドル相当のブルガリのネックレスを付けています。

こういったポージングにスーパーモデルの貫禄が滲み出ています。

とても素敵なブルガリのネックレス。

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ミシェル・スタットンのファッション5

トムボーイ・スタイル
  • バゲットハット、ベージュ
  • ノーブラにイエローのケーブルニット・プルオーバー、カシミア
  • カーキーのパンツ
  • ショルダーストラップを付けたボッテガ・ヴェネタのバーガンディカラーのクラッチと赤のスカーフ
  • ベージュのスエードのブーティ

本作の中でも、最もタイムレスなスタイリングとも言えるのが、鮮やかな黄色を中心にアースカラーを配したトムボーイ・スタイルです。クラッシックボブの上に乗っかかるバゲットハットのチョイスも素晴らしいです。

ローレン曰く、このスタイルが普段の私のスタイルらしい。

トムボーイ・スタイルの教科書のような着こなしです。

リチャード・ギア、180cm。ローレン・ハットン、169cmです。

ショルダーバッグは、同じクラッチであることが分かります。

ビタミンカラーとブロンドヘアの組み合わせがとっても80年代!

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ニーナ・ヴァン・パラント

ジュリアンに女性を紹介するオンナを演じるニーナ・ヴァン・パラントは、撮影当時47歳でした。日焼けした肌が眩しいです。

まるでイタリア女のように日焼けした肉体が魅力的。

素晴らしいベージュのアンサンブル。

ニーナ・ヴァン・パラント(1932-)のファッションも魅力的です。恐らくジョルジオ・アルマーニによる衣装と思われるスクエア・サングラスとポロシャツ、ショートパンツの全てがベージュ色で見事に統一されています。

彼女は、かつてニーナ&フレデリックというポップ・デュオ(実生活でも夫婦だった)で1960年代にヨーロッパで人気がありました。しかし、二人は1975年に離婚し、グループも解散し、ニーナはハリウッドで女優になりました。

一方、恐ろしい話なのですが、元夫のフレデリックは、フィリピン人のガールフレンドと共に、フィリピンでヨットを使い大麻取引で荒稼ぎをしていました。しかし、幸運も長くは続かず、1994年5月にオーストラリアの麻薬カルテルにより、フィリピンのあばら家でガールフレンドと共に処刑されました。

作品データ

作品名:アメリカン・ジゴロ American Gigolo (1980)
監督:ポール・シュレイダー
衣装:ジョルジオ・アルマーニ
出演者:リチャード・ギア/ローレン・ハットン/ニーナ・ヴァン・パラント