究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
ブラッド・ピット

『オーシャンズ11』1|ブラッド・ピットとオリバーピープルズ

ブラッド・ピット
この記事は約5分で読めます。
3ページの記事です。
スポンサーリンク

作品データ

作品名:オーシャンズ11 Ocean’s Eleven (2001)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
衣装:ジェフリー・カーランド
出演者:ジョージ・クルーニー/ブラッド・ピット/マット・デイモン/ジュリア・ロバーツ/アンディ・ガルシア/ドン・チードル/スコット・カーン/エリオット・グールド/カール・ライナー

スポンサーリンク

 21世紀のメンズ・ファッションの〝あしたのために(その1)〟

21世紀の男性のファッション・アイコンが集結した作品。

20世紀末から21世紀はじめにかけて、男性のファッション・アイコンを1人挙げよと尋ねられたならば、間違いなく挙がる人。その名は、ブラッド・ピット(1963-)。『オーシャンズ11』は、ブラッドが最も輝いていた時代の作品です。

2018年を迎えようとする今でも、2001年に公開された本作をはじめとするオーシャンズ・シリーズに匹敵する〝21世紀のメンズ・ファッションの聖典〟は、ジェームズ・ボンド・ムービーを除いて他に存在しません。それはブラッドのみならず本作に登場する全ての男性陣のファッションが、ファッション感度を高めたいあらゆる年齢層の男性にとって、今も刺激的であり、それはまさにメンズ・ファッションの「あしたのために(その1)」だからなのです。

どうしてこの作品に登場する男性陣は、タイムレスな魅力に包まれているのでしょうか?それは彼ら全員が、新しさに向かうよりも、20世紀の男のダンディズムへと向かっていたからであり、ファッションにおいての鉄則である、「古いことは最も良いことだ」に実に忠実だったからです。古いものを知るからこそ、それで遊び、古きものを新しい時代に蘇らせることが出来るのです。メンズ・ファッションの楽しさとは、〝古さ〟を自分自身の解釈で蘇らせる喜びなのです。だからこそ、私達はあしたのファッションのために『オーシャンズ11』を蘇らせるのです。

スポンサーリンク

立ち食いが、様になることがハイセンスの絶対条件

ブラッド・ピット登場シーン。後ろにはキャピトル・レコード・ビル。

常に何かを食べているオーシャンの右腕ラスティ・ライアン役。「悪党は追われる身だから立ち食いは当然だろ?」というブラッド談。

ダブルカフスを折らずに、スーツの袖から見せる!

オールシルバーのド派手なパーティ・スタイルもさらりと着こなす。

ダブルカフスを折らずに伸ばしたままにしているのがポイント。

当時の妻ジェニファー・アニストンからプレゼントされたリング。

絶妙なサイズ感と生地感がドレスシャツに陰影を生み出します。

ラスティ・ライアン・スタイル1 シルバー・ドレスシャツ
  • ブラック・ダブルスーツ、6つボタン、ピークドラペル(ジュリア・ロバーツ登場シーンでも再登場する)
  • Antoのシャイニーなシルバーのドレスシャツ、ダブルカフス
  • シルクのネクタイ

「カードを睨むな。手は変わらない」「ゲームの開始早々に大金を賭けるやつの手は、絶対に大したことはない」という風に、矢継ぎ早にポーカーのアドバイスをするラスティ。独特のリズム感で、理屈を畳み掛け、相手をタジタジさせて、自分のペースに引っ張り込むスタンスの役柄を演じさせれば、当時間違いなく世界ランクNo.1だったブラッド・ピット。

その一挙手一投足が、スティーブ・マックイーン並みにカッコ良く、なぜか男のバーテンダーにホモセクシャル・チックな笑顔(この時の笑顔が天使のように可愛らしい)を魅せたりするオープニング・ファッションは、ギラギラにシルバー・シャイニーに輝くドレスシャツです。そのダブルカフスは、折らずに伸ばしたままにし、見事にフォーマルを着崩し、自分のスタイルにしています。

ちなみにこのドレスシャツはAntoビバリーヒルズという、フランク・シナトラから、レオナルド・ディカプリオに至るまでのハリウッド・スターに愛されている1955年創業のドレスシャツメーカーです。

スポンサーリンク

トファー・グレイスのライダース


本作において、忘れられないライダースがいくつか現れます。まずはそのうちの一つ目が、ラスティとダニーのポーカーシーンで現れます。

着るのは『ザット’70sショー』で当時人気若手スターだったトファー・グレイス(1978-)です。白いボタンダウンシャツと黒のパンツの上に着る、ハの字のジップが付いたカーフレザーのシングルジャケット。これはトファー自身の私物なのですが、ここに出てくる若手スター達のファッションもそれぞれタイムレスな魅力に包まれています。