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『袋入り甘栗』林万昌堂【京都の和菓子図鑑】5

京都和菓子図鑑
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商品名:袋入り甘栗(厳選大甘栗)
評価:★★★★☆
金額:200g/860円
原材料:栗
賞味期限:3日
特記:驚くほど剥きやすい甘栗
公式ホームページ:甘栗の老舗 林万昌堂



1874年(明治7年)に「くわいや武兵衛」の屋号で創業した林万昌堂(はやしまんしょうどう)は、四条通りと新京極通りが交差する場所に本店を構え、大正時代より本格的に甘栗専門店として営業を開始します。

中国全土で産出される栗の中でも最高品質とされる河北栗子(中国河北省秦皇島市青龍満族自治県産の、中国国内でしか生産できない品種の栗)を長時間釜で焼き上げた天津甘栗河北栗子(かほくりつ)の産地は、ミネラル分が豊富な土壌を持ち、降水量が少ないため、栗の木は深く根を張り、実へたくさんの養分を送ろうとするので、独特の甘味が生まれるのです。さらに、渋皮(外側の硬い殻と実の間にある薄い皮)が剥きやすく、甘栗に適しています(日本の栗は渋皮が剥けない)。

1992年から林万昌堂は毎年、生産者の村を訪れ、河北栗子を買い付けているほどの徹底ぶりです。

遥か6,000年以上も昔から人々に親しまれてきた栗が、現在の天津甘栗のような形で食されるようになったのは、元の時代の13世紀ごろからです。それが日本に伝来したのは1900年代で、神戸の南京町から徐々に広まりました。中国全土で収穫された甘栗は、天津の港から船積みされ出荷されいているため、港の名が由来となり「天津甘栗」という呼称が代表的な名称として日本に定着したと言われています。

昔ながらの包装が、焼き立ての栗の温かさに包まれて、ほっこりとした気分にしてくれます。

この中の袋と、お手富貴がとてもイイ!

包み紙を裏返すと!

栗の殻入れの手引書になっています。

栗が大きく、光沢があります。





その日に売る甘栗はその日焼き上げたもののみというポリシーを貫く林万昌堂の定番商品が、「袋入り甘栗」です。こちらは通常粒と厳選大甘栗の二種類に分かれており、大甘栗の方が、1.5倍大きな形となっています。

80年以上前より使い続けている釜で焼かれており、しかも、甘栗を焼く際に使用する小石は、全て割れにくい川砂を選んでいます。この川砂により、栗がふっくらと甘みを十二分に引き出し焼き上がることになります。

ちなみに甘栗とは、皮を剥かずに栗を焙煎して販売するため、味付けはできず、栗にもともと備わっている本来の甘みや風味を活かし作るものです。

驚くほどにさくりと割れるこの甘栗は、味自体も一切の添加物を使用していない天然の甘さであり、いくつも食べたくなってしまうのは、その深みのある優しい甘味ゆえなのです。甘栗自体の外見の芸術性も非常に高く。上質なレザー製品のような光沢は一見の価値ありです。ちなみにフランス人の某ファッション・デザイナーは、この外見に一目惚れしていました。